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「LGBTは社会を乱す」渋谷で反同性愛デモ発生、自民党・谷垣幹事長も同性婚に懸念を表明し、二丁目のゲイバーは摘発強化へ

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渋谷区で本日、同性パートナーシップ制度の条例案に反対するデモが開かれました。
同制度への反対表明にとどまらず、もはや「反同性愛」デモとなっているだけでなく、与党幹部がアシストにつながる発言を行うなど、なにやらとんでもないことになっています。詳細は以下から。

◆渋谷で反同性愛デモ
これが本日、テレビなどでもおなじみの渋谷・ハチ公前で行われた、同性パートナーシップ制度の条例案に反対するデモの様子。


日本国旗が掲げられ、日の丸をあしらった「頑張れ日本!」というのぼりが並んでいます。

プラカードの中には『渋谷区「同性愛条例」絶対反対!』の文字もあり、「普通の愛情は男女から発生する」「LGBTは社会を乱す」という街宣が行われるなど、もはや「反同性愛デモ」と呼んだ方が正しい状況に。


あまりの内容に、デモに対する抗議活動も展開されていました。


このデモに対しては、たまたま渋谷の現場を通りがかった人のツイートを見ても「迷惑」「バカ」「暇か」「誰も話聞いてない」などの批判の嵐で、主張が共感を呼んでいる様子は全くありません。






上記の方の受け取ったビラは以下のもの。同性パートナーシップ制度を「人類に対する大きな冒涜」とするなどヘイトスピーチ満載です。しかも「子供たちの未来を守る主婦の会」などと称していますが自らの連絡先すら掲載していないというお粗末さ。なお、ここで「家族のあり方を根本から覆す」などと従来の家族観に強いこだわりを見せていることは要注目です。


◆デモの仕掛け人の正体は?
ちなみに今回のデモを主催したのは「頑張れ日本!全国行動委員会」という組織で、トップを務める水島総は、元航空幕僚長・田母神俊雄の選挙活動をバックアップしていた人物。
しかし田母神氏が都知事選、衆議院選挙で敗退した上、伝統的な家族制度を守ることを主張しているにもかかわらず、自らが泥沼の不倫離婚訴訟で敗訴したこと、そして新たに発覚した横領事件などをきっかけに、現在は袂を分かっていますが、基本的な考え方にほとんど違いはありません。
また、水島氏は同時に衛星テレビ局「日本文化チャンネル桜」(通称チャンネル桜)の代表取締役社長でもありますが、同局では「在特会」の桜井誠(本名:高田誠)元代表が出演し、人種や国籍などを理由にしたヘイトスピーチと受け取れる発言が数多く放送されていました。
つまり今回の反同性愛デモの仕掛け人と、各所で訴訟沙汰に発展しているヘイトスピーチの発信者は同じなわけです。
頑張れ日本やチャンネル桜公式ページに掲載された、デモへの参加要項。「プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)」と書かれていますが、民族差別以外の差別的な表現は許容されるのでしょうか……?

2010年の頑張れ日本!の結成集会に安倍首相ら現在の安倍内閣の閣僚ら複数が出席していました。安倍首相に至っては基調講演まで行っています。以下記事にて詳説します。
渋谷での反同性愛デモを主催した「頑張れ日本!」の結成大会に安倍首相を始め複数の現閣僚が参加・登壇していたことが明らかに | BUZZAP!(バザップ!)
◆嫌悪感丸出しのチラシも配布中
なお、今回のデモに先立って、先日BUZZAP!でお伝えした統一教会の関連団体が、先日から渋谷や原宿の路上で「反同性婚チラシ」を配布中。

これがそのチラシ。「若者が多く集まる渋谷区の路上や職場で、男性同士、女性同士が公然と抱き合ったり、キスをしたりする姿が日常の光景となり、やがてエイズが蔓延してしまうことを、誰も歓迎しておりません」など、同性愛への嫌悪を一切包み隠しておらず、「条例案は、日本の伝統と文化に対する挑戦状」とまで断言しています。

『「普通の人々」を脅かす同性婚社会』と題し、「伝統的な結婚の定義を守ろうとする人々が偏見を持つ者と見なされることに危機感を募らせている」とするなど、あくまで自分たちは偏見のない、普通の人間であると主張しており、まさに失笑もの。

◆デモ当日に自民党・谷垣幹事長が同性パートナーシップ制度への懸念を表明
谷垣幹事長 同性結婚相当の証明書に懸念 NHKニュース
さらに本日昼に行われた記者会見では、自民党の谷垣幹事長が同性パートナーシップ制度について、「自分は、伝統的な価値観の中で育っており、自分の価値観に従って述べてよいかどうか、非常に迷うところだ」と断わった上で、「家族関係がどうあるかというのは、社会の制度や秩序の根幹に触れてくるものだ」と指摘。
デモを主催した頑張れ日本やチラシを配布した統一教会の関連団体が掲げる「伝統的な価値観」と同じ主張をしており、結果的にデモを行った団体をアシストする形となっています。
しかし若者が集まる六本木の路上で公然と抱き合ったり、キスをしていたことが報じられ、中川郁子農林水産政務官と門博文衆院議員が不倫関係にあることが明るみに出たばかりの同党だけに、伝統的な価値観や家族関係のあり方、社会制度や秩序の根幹について、どれだけ言えるのか……という気がしなくもありません。
◆新宿二丁目のゲイバー取り締まりを強化する報道も
新宿2丁目で無許可営業のゲイバー摘発 氷山の一角?警視庁、取り締まり強化へ – 産経ニュース
そして極めつけが、本日産経新聞が行った新宿二丁目のゲイバー摘発報道。
3月5日にある店舗が風営法違反の疑いで摘発されたことを受け、今後警視庁が約450店ある新宿二丁目のゲイバー取り締まりを強化するとのこと。わずか1日の間に、大きな影響を与えるトピックが3つ立て続けに発生したことで、LGBT社会に動揺が広がりつつあります。
「日本人らしく生きていきたい」と幹部がうたう団体によって反対デモが主催され、「普通の人々を脅かす」と書かれた反対チラシまで撒かれるなど、大きな波紋を呼ぶこととなった同性パートナーシップ制度。

彼らの主張を裏返せば、LGBTを「日本人らしくない」「普通ではない」と排除しようとしているようにしか見えないわけですが、生まれ持った性質を理由に分け隔てられ、悪意をぶつけられてしまう構図が生まれること自体、とても悲しいことではないでしょうか。

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