今後30年以内に60~70%の高い割合で発生すると予見され、M8-9クラスとも言われる「南海トラフ巨大地震」に備えるため、ドコモ関西が「基盤強化基地局」を整備しました。詳細は以下から。
ドコモ関西の報道発表によると、同社は南海トラフ巨大地震での津波による想定被災エリアに対し、3月20日に「基盤強化基地局」の整備を完了させたそうです。
基盤強化基地局は南海トラフ巨大地震発生時に沿岸部で発生するとみられる津波により、基地局の伝送路が断線ないし電力供給が途絶え通信が確保できないなどの被害を受ける可能性があることを受けたもの。
大阪府5局、兵庫県16局、和歌山県14局の基地局の地盤を強化したほか、無線で伝送路を二重化。さらに電力供給途絶時でも3日間通信できる大容量燃料電池を備えるなどのアプローチを導入したことで、有事の際も想定被災エリアで利用している約96%の通信を確保できるとしています。
対策内容一覧。基地局が利用できなくなった地域に対し、周辺基地局の電波発射角度をコントロールすることで通信を確保できる、遠隔からのエリアコントロール機能まで備えています。
まさに「備えあれば憂いなし」といった感のある今回の対策。地震や津波以外でも、台風や局地的な豪雨などに対しても応用できると考えられるため、なかなか興味深い取り組みと言えそうです。