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ドコモが月額1700円の「スーパーカケホ」対抗プランを即座に発表できないワケ

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auが月額1700円の新プラン「スーパーカケホ」を新たに打ちだし、いち早く携帯3社の横並びから脱したiPhone 6s商戦。
少し損する内容ではあるもののソフトバンクが「スマ放題ライト」として即座に追従し、先日ドコモも追従する方針であることが判明しましたが、どうしてドコモだけ遅れているのでしょうか。その舞台裏を解説します。

◆ドコモも月額1700円の新料金プラン導入へ
ドコモ、iPhone戦略に狂い 「カケホーダイ」割安版の導入検討 (1/3ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
産経新聞社の報道によると、NTTドコモはauが発表した月額1700円、1回5分以内の通話が完全定額となる新プラン「スーパーカケホ」への対抗プランをiPhone 6sが発売される9月25日までに発表する方針だそうです。

初めてiPhoneに参入したiPhone 5s/5cの2年縛りが切れることもあり、ドコモはiPhone 6s/6s PlusのMNP契約時の価格を最も低く設定するなど、契約者の流出に神経をとがらせているのが現状。料金プランでも対抗することで、流出を防ぎたい考えとされています。
◆すぐさま対抗しないワケは?
・他のサービスには即座に追従したドコモ
今回の産経新聞社の報道は、他社の新料金プランへの乗り換えを警戒したドコモ内部からのリークとみられ、少しでも契約者をつなぎとめておきたい意図が見えますが、それならばすぐにでも対抗プランを発表すれば済む話。
「スーパーカケホ」と合わせてauが発表した、1年で最新のiPhoneに機種変更できる「スーパーアップグレードキャンペーン」には「機種変更応援プログラム」として即座に追従したにもかかわらず、踏み切れないその理由は、ほかでもないドコモ自身にあります。

・カケホーダイ強制が足かせに
ドコモは昨年6月に月額2700円で完全通話定額となる新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を導入。しかし通話を頻繁に利用するヘビーユーザーが一気に移行した結果、通話料収入が一気に落ち込み、2015年3月期連結決算でドコモの営業利益は大手3社で最下位となりました。
そして通話料収入が落ち込んだことを受け、ドコモは昨年9月から「機種変更の際、新プランに切り替えないとスマホ本体の割引無し」という、あまりにもえげつないやり方で既存の契約者を順次新プランへ強制移行させ、失われた通話料収入を補完する方針へと転換。
つまりドコモにとって月額2700円のカケホーダイ一本化は、失われた通話料収入を少しでも補うために欠かせないもので、音声通話を必要としない多くのユーザーが移行しかねない月額1700円程度の新プラン導入は、さらなる減収・減益を招きかねないわけです。
・MNP向けにiPhone 6s/6s Plusを一番安くしたことも裏目に
さらに前述の通りドコモはMNP契約者向けのiPhone 6s/6s Plusの本体価格を最も安く設定しており、「のりかえボーナス」を採用すれば、携帯各社で唯一iPhone 6sの16GBモデルが実質0円に。

しかしこれは他社と異なり、月額料金の高いカケホーダイに一本化されているからこそ、採算が取れる部分もある本体価格。ここで新たに月額1700円の新プランを導入すれば、MNP商戦の武器にはなるものの、ドコモを傘下に収めるNTT本体が最も嫌うであろう営業利益を圧迫する要素となるのは間違いありません。
・自分で自分の首を絞めているドコモ
ただでさえカケホーダイへの強制的な一本化が通話定額を必要としないユーザーから不評であるにもかかわらず、減収・減益への懸念から新プランに即座に追従できないドコモ。本来ならば初めて自社で取り扱ったiPhoneの2年縛りが切れる今こそ、率先して対策を打たないといけないキャリアのはずです。
旧プランと通話定額プランを併存させてきたauがユーザーに新たな選択肢を提示し、ソフトバンクもすぐさま追従したのに対して、「ドコモだけ選択肢が1つしかなく、新プランへの対応も遅れている」というのも、国内最大手の携帯電話会社としてどうなのか……という気がしてなりません。
もはやドコモが自ら生み出したカケホーダイにとらわれ、自分で自分の首を締めている状態に陥っているのは、誰の目にも明らかではないでしょうか。

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