昨日2016年3月期の連結決算で5500億円の赤字に転落する見込みであることや、7800人の人員削減を発表した東芝。
2008年度から2014年度第3四半期にわたって利益を水増しし、見せかけの業績を元に市場から1兆円を調達するなどした粉飾決算が明るみに出たことによるものですが、同社の経営が危機的状況にあることが、なんと6年前の時点で指摘されていました。詳細は以下から。
自己資本比率のことで質問です。某大手電機メーカーはそれが15%しか… – Yahoo!知恵袋
知識共有サービス「Yahoo!知恵袋」によると、某大手電機メーカー(東芝)の自己資本比率が15%しかないことを挙げた上で、経営を不安視する投稿が2009年3月4日に行われています。
この質問に対し、ベストアンサーに選ばれた回答者は大手電機メーカーの自己資本比率の割合と経営状況について、以下のように指摘。30%を下回ると財務面で健全だとはあまり言われないと指摘しています。
50%以上 凄く健全また、自己資本比率だけでなく「D/Eレシオ(負債/自己資本)」をチェックするよう指摘しており、ソニーの場合は自己資本比率は28~30%ほどであまり健全ではないものの、D/Eレシオは0.4倍以下で大手電機メーカーの中ではかなり健全なほうだと回答者は解説。
30%以上 健全
20%以上 比較的しっかりしている
20%未満 危険
10%未満 倒産の危機
逆に自己資本比率が12%でD/Eレシオ2.7倍の東芝について、「今年、倒産するのではないかとさえ言われているほど危ない状態」と指摘した上で、以下のようにコメントしています。
今年は、東芝に注目してください。めちゃくちゃな経営をしてる会社がどうなるのかがよくわかるはずです。恐らく6月ぐらいまでに何かあると思いますよ。実際にはこの投稿が行われた2009年当時、東芝に「何か」は起きませんでしたが、それはひとえに東芝が2008年度から取り入れた粉飾決算のため。
なお、東芝の経営陣は先日行った記者会見で、グループ内唯一の黒字事業で今後の成長も期待されるヘルスケア事業を売却する方針について言及。
不採算事業ではなく、収益が見込める事業を手放すことに違和感がある人も多いかと思われますが、これは同社が当面の資金繰りのために、将来性がある事業を売らないといけない状況へと追い込まれていることを表しています。
また、粉飾決算が露見したにもかかわらず、東芝の株価はほとんど下落しませんでしたが、その理由は国民年金を運用する「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」が買い支えていたため。
先日の発表を受けて、東芝株が急落しているだけに、国民年金への影響についても気になるところです。