第5世代携帯電話の実用化に向けて研究を進めているNTTドコモが、通信実験で20Gbps以上というとんでもない数値を叩き出しました。詳細は以下から。
NTTドコモとエリクソン・ジャパンのプレスリリースによると、両社は2016年2月17日(水)に神奈川県横須賀市のドコモR&Dセンターで行われた15GHz帯を用いた通信実験で、両社が目指す5Gの目標性能の一つとなる下り最大10Gbpsを超える通信速度の実現に成功したそうです。
実験の様子。1ビームあたり64個(2ビームで128個)のアンテナ素子を搭載した装置を2台用いて、電波の放射エリアを特定方向へ集中させる「ビームフォーミング」技術を用いたもので、70メートル以上離れた移動局で10Gbps、120メートル以上離れた移動局に9Gbpsを超える高速通信を実現しています。
さらに基地局から複数のビームで、それぞれ異なるデータを同時に伝送し、通信速度を向上させる「マルチビームMIMO」を利用し、4台の基地局から複数のビームで2台の移動局に対して同一周波数を使用したデータ送信を行うマルチユーザー通信実験を2月21日(日)に行ったところ、世界で初めて20Gbpsを超える通信容量の無線データ通信に成功したとしています。
なお、10Gbpsを超える高速通信を実現するためには、連続した広い周波数帯域を確保する必要がありますが、広い帯域を確保できる高周波数帯は波長が短く、「遠くまで伝搬しない」「建物の中に弱い」などの特性があります。
今回の実験で用いられた「ビームフォーミング」は64個のアンテナ素子でビームを作り、電波の放射エリアを特定方向へ集中させ、電波をより遠くへ届かせることで、課題の解決を目指すものとなっています。
報道発表資料 : 世界初、屋外環境で通信容量20Gbpsを超える5Gマルチユーザ通信実験に成功 | お知らせ | NTTドコモ