鴻海への身売りを固めたシャープにまさかの巨額債務が発覚しました。詳細は以下から。
ウォールストリートジャーナルの報道によると、鴻海は25日、シャープから24日に新たな重要文書を受け取ったことを明かした上で、内容を精査するため買収契約をしばらく見合わせることを発表したそうです。
鴻海が受け取ったのは、シャープが抱えている約100項目におよぶ潜在的な将来の財務リスクのリストであったことを関係者は明かしており、ざっと見積もって3500億円の偶発債務(将来返済義務が発生するおそれがある債務)があるとのこと。
時事通信社はリストの中に買収交渉の資産調査で本来開示されるべきにもかかわらず、開示されていなかった内容が一部含まれているとみられると報じています。
なお、シャープが抱えているとみられる偶発債務は太陽光発電システムのソーラーパネルに関するもので、(PDFファイル)2015年第2四半期の四半期報告書に以下のような記載が。どうやら世界的な太陽光発電ブームの時代に原材料を安定して供給してもらうため、2020年まで非常に割高な価格で購入することを契約しているようです。
特に、ソーラパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で平成32年末まで、合計して25,533トン(平成25年9月末現在)を近時における時価水準を大幅に上回る価格(平成25年9月25日現在の時価を加重平均で1キログラムあたり約2,500円上回る。)で購入することを当社に義務づけるものとなっている。また、電力供給についても長期契約を結んでおり、年間480メガワットの太陽光発電システムを生産するために必要な供給契約を締結しているものの、実際の生産量は年間160メガワットにとどまるため、過度な生産コストが生じているとのこと。
なお、電気代は少なくとも439億円にのぼるとのことで、潜在的損失を推定することが困難だとされています。
Foxconn”s Deal for Sharp in Question – NASDAQ.com
Sharp’s takeover by Foxconn now in question – MarketWatch