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相次ぐ値上げや申し込み縮小、格安SIM(MVNO)の価格競争に異変が起きていることが明らかに

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大手携帯電話会社から回線を借りたMVNO(仮想移動体通信事業者)が相次いで参入し、にぎわいを見せる「格安SIM」や「格安スマホ」。
さまざまな事業者が参入し、熾烈な価格競争が発生していたのもつかの間、なにやら不穏な空気が流れています。詳細は以下から。

◆安さを売りにしてきた事業者が値上げ、申し込み縮小する事態に
・0SIM by So-net
まず見てもらいたいのが、月間500MBまでの通信なら0円で利用できる「0SIM by So-net」が先日行った告知。仕入れ条件の変更などの環境悪化を受け、8月から申込日を0のつく日に限定することを告知しています。
「0SIM」に関する重要なお知らせ
ユーザーの皆様にご支持いただいております0SIMに関しまして、仕入条件の変更や原材料の高騰などの環境悪化を受け、まことに心苦しくございますが、2016年8月よりお申込日を毎月「0のつく日」に限定させていただくことになりました。
弊社の努力が及ばずユーザーの皆様にはご迷惑、ご不便をおかけいたしますが何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。
利用料金イメージはこんな感じ。音声通話対応SIMの場合、利用料金に700円が上乗せされます。

なかなか画期的なサービスといえる0SIMですが、毎月499MBきっかりに通信量を抑えてしまうような、リテラシーの高いユーザーの割合が多くなると、安定した収益を見込むのは困難な話。携帯会社には常に一定の回線利用料を支払い続けないといけないことを考えると、このような結果となったのは仕方が無いことかもしれません。
・@モバイルくん。
このような事態へと陥っているのは0SIMだけではなく、月間500MB・音声通話対応SIMを月額800円で提供する「使ったぶ~んだけプラン」を手がける「@モバイルくん。」に至っては、8月から従来プランを廃し、新プラン「もっと使ったぶ~んだけプラン」に一本化することを告知。
しかし同じ月間500MB・音声通話対応SIMにもかかわらず、新プランの基本料金は1.5倍の月額1200円。実質的な値上がりと考えて問題ありません。

・レキオスモバイル
さらに月間1GB・音声通話対応SIMを月額950円で提供している沖縄系MVNO「レキオスモバイル」も……

沖縄県外在住者からのウェブ経由での申し込みを一時的に停止しています。

◆月額1000円未満の音声通話対応データSIMは採算が厳しい?
上で述べたように、主に月額1000円以下の音声通話対応データSIMで値上げや申し込みの縮小が行われているわけですが、ここで1つ覚えておきたいのが、そもそも音声通話対応SIMの原価(≒MVNOが携帯会社に支払わないといけない料金)は月額700円とみられる点。
楽天モバイルやmineoといった大手事業者でも、音声通話に対応したSIMは月額料金が700円ほど上乗せされています。


つまり月額1000円未満で一定量のデータ通信と音声通話サービスを提供している格安SIMは、データ通信部分をわずか100~200円程度で賄っているわけです。これでは採算が悪くなるのも無理はありません。
一般的に安売り攻勢を仕掛ける場合、体力のある事業者でないと厳しいわけですが、かつてのISPのように、いずれ撤退する格安SIM・格安スマホ事業者も現れてしまうのでしょうか。その場合、サービスはどうなるのかが気になるところです。

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