今夏からドコモが3.5GHz帯でサービスを開始したことを受け、ようやく携帯3社が提供することとなったTD-LTE。
欧米主導のFDD-LTEに対し、TD-LTEはアジア主導で開発が進められているわけですが、まだまだ厳しい状況にあることが分かりました。詳細は以下から。
台湾メディアの報道によると、2016年第1四半期末時点で、FDD-LTEを採用する携帯電話事業者が494あったのに対し、TD-LTEを採用する事業者はわずか72にとどまったそうです。
TD-LTEは加入者数ベースで考えると、すべてのLTEユーザーの49.2%にあたる6億1500万人と善戦しているものの、チャイナモバイルの契約者が大半を占めるなど、あまりにも不均衡な分布であるとのこと。
また、3GPPでは33のバンドおよび合計2000MHzの周波数幅をFDD-LTEに割り当てているものの、TD-LTEではわずか12のバンドおよび1054MHz幅しかないと指摘。
ただでさえ周波数帯域が少ないにもかかわらず、TD-LTEの事業者はアップロードに帯域を割かないため、FDD-LTE陣営に対して遅れを取りがちだとされています。
下り最大165Mbpsと書かれてはいるものの、上りが最大15Mbpsしかないことに触れられていないソフトバンクのTD-LTEサービス「SoftBank 4G」解説ページ。もちろん同じTD-LTE互換サービスのWiMAX 2+でも、上り速度が出ない点は同じです。
なお、TD-LTE陣営は競争力を高めるため、2020年までに3.3GHz、3.5GHz、3.8GHz、4.4~4.8GHz帯でも通信サービスを提供できるよう技術開発を進めていくとしています。
Digitimes Research: TD-LTE development faces disadvantages