1年以内の退任を表明したマイクロソフトのバルマーCEOが、最も後悔したことを明かしました。
Ballmer sees Microsoft’s ‘almost no share’ in mobile as an opportunity, regrets mistakes | The Verge
THE Verge紙が報じたところによると、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが金融アナリスト向けに行った説明会において、「我々はモバイル市場においてほぼシェアが無い(almost no share)」と認めるスピーチを行いました。
これは同市場がどれだけの伸びを見せるかが分からなかったことを受けたもので、バルマー氏は自らを楽観的であると評した上で、NOKIAの携帯電話事業を買収したことについて、この状況を逆転する機会を得るためのものであったとしています。
さらにバルマー氏は同社が早い段階で携帯電話に焦点を当てていなかったことを後悔していると認め、「私は2000年代初頭にWindows Vistaの開発に焦点を当てすぎるあまり、『携帯電話』という新たなデバイスに着目することができなかったことを最も後悔している」とコメント。なお、Windows Vistaについては開発が難航し、中期に一度コードをリセットしていたことが先日判明しています。
ちなみに気になるマイクロソフトの今後についてですが、バルマー氏はWindowsブランドに再び注力することを改めて表明し、マイクロソフト再編の一環として、今までWindows Phoneに専属で取り組んでいたJoe Belfiore氏を携帯電話だけでなくタブレット、そしてパソコンにも横断的に起用。
バルマー氏はまだ目に見えるものではないものの、着々と成果を挙げつつあることを挙げた上で、Windowsブランド全体に時間とエネルギーを注ぐ必要があるとしています。
2005年12月に国内初のスマートフォンとしてWindows Mobile 5.0搭載の「W-ZERO3」が発売された当時はモバイル分野でも最先端を進んでいたはずのマイクロソフト。
しかしながら「iPhone 3G(2008年)」「iPhone 3GS(2009年)」がヒットし、Androidの足音も聞こえてくる中、2010年初頭に発売された「HYBRID W-ZERO3」の頃には、すでにスペック面でもアプリケーション面でも大きく陰りが見えていました。
そして「Windows Mobile」は「Windows Phone 7」へと名を変えるも、国内で発売された端末は「IS12T(2011年8月発売)」1機種のみ。筆者の回りでも多くの元W-ZERO3ユーザーが見切りを付け、iPhoneやAndroidへと移行しています。
まさにモバイルへのシフトを読み誤ったとしか言いようのないマイクロソフトの現状。
昨今では比較的低スペックのエントリーモデルでもサクサク動くことを理由に、Windows Phoneが南米でシェア2位を獲得していますが、背後には最新モデルのiPhone 5sすらメモリ1GBで動作する上、廉価版の投入に踏み切ったAppleや、メモリ512MBでも動作する新バージョンのAndroidを投入する予定のGoogleが迫っています。
携帯電話業界は今後著しく新調するとみられる新興国市場でどれだけシェアを伸ばせるかが鍵となりつつありますが、新体制の元でどれだけマイクロソフトが存在感を発揮できるのかに注目が集まりそうです。
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