スマホ本体割引の規制強化で利用者の負担が増す中、高市総務大臣が火に油を注ぐような反論を繰り広げています。詳細は以下から。
高市総務相、スマホ安売り規制の効果をアピール 「料金の選択肢増えた」と利用者の不満に反論 – 産経ニュース
産経新聞社の報道によると、高市早苗総務相は13日の閣議後に行われた会見で、スマホの行き過ぎた値引き販売を禁止するガイドラインに利用者からの不満が寄せられたことに「ライトユーザー向けやヘビーユーザー向けなど、多様な料金体系を(通信会社に)つくっていただき、使う側の選択肢は増えた」と反論したそうです。
1月10日に公開された、モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドラインに対するパブリックコメントで寄せられた個人からのコメント。「子どものスマホを買い替えるための負担が増えた」など、負担増を強いられた利用者からの怒りの声が多く、「使う側の選択肢が増えた」というコメントがどれだけ的外れなのかがよく分かります。
「本件に対して総務省が世間から『総無能』と揶揄されているのをご存じですか?」「携帯電話の販売の落ち込みで職を失った我々や、衰退する日本のメーカーは誰が面倒を見てくれるんですか?誰が責任を取ってくれるんですか?」など、辛辣なコメントばかりです。
もともと安倍総理がほぼ思いつきで「日本の携帯電話料金は高い」「家庭の支出における携帯電話代の割合を下げる」と息巻いたものの、検証すると日本の携帯電話料金は諸外国と比較して高くなかった……というオチが付いたところから始まった、携帯電話料金に関する一連の議論。
つまり携帯3社は諸外国と比べて不当に高い料金で暴利をむさぼっておらず、一部改善すべき点はあっても、全体的な料金を劇的に引き下げる義務があるとまでは言えないわけです。
しかしその後議論はなぜか「携帯電話料金全体の値下げという話ではない ユーザー間の行きすぎた不公平性の是正がポイント」という方向にシフトし、スマホ本体の割引をひたすら締め付けることに。その結果、利用者の負担額は増す一方となっています。
なお、高市総務相は「MVNOも非常なスピードで伸びている。(スマホを)さらに安く利用していただける環境も整ってきた」ともコメントし、自らの成果をアピールしています。
「大手3社のスマホ代が上がったのなら、MVNOに移ればいい」とでも言いたげですが、MVNOと大手3社が提供するサービスの間には通信速度やサポートなどで大きな隔たりがあり、リテラシーの高くない利用者がおいそれと移行できる状況でないのは少し考えれば分かりそうなもの。
にもかかわらず大手3社およびその利用者の締め付けをさらに強めようとする現状を見ていると、総務省は一体何のために働いているだろうという気にならざるを得ません。