グラフィックボード「GeForce」シリーズでおなじみ、時価総額9兆円の老舗半導体企業を謎のメーカー呼ばわりした日経ビジネスの記事が炎上しています。詳細は以下から。
これが今回話題となっている記事。AI(人工知能)による将来の産業構造の変化を占う特集の第一弾で、トヨタがNVIDIAと手を組んだことを取り上げていますが、見出しに「詳報:トヨタが頼った謎のAI半導体メーカー」と書かれています。
詳報:トヨタが頼った謎のAI半導体メーカー:日経ビジネスオンライン
本文の一部を引用。NVIDIAを「ゲーム用半導体というニッチ産業のプレーヤーの1社に過ぎなかった」と断言しています。
5月10日にトヨタ自動車とAIによる自動運転で提携したのは、半導体世界シェア10位以下の米エヌビディア。自動車業界と半導体業界にとって、序列の崩壊を象徴する提携である。しかしそれなりにパソコンやモバイル、ゲームなどについての知識がある層にとっては、NVIDIAといえばMMORPGの動作推奨環境で必ず名前が挙がるグラフィックボード「GeForce」シリーズを手がけているメーカー。「Radeon」を手がけるATI(現AMD)と市場を二分する巨頭です。
エヌビディアは長らく、ゲーム用半導体というニッチ産業のプレーヤーの1社に過ぎなかった。まさに「知る人ぞ知る」存在だった同社は、AI時代の寵児になりつつある。
ただし、同社のAI用半導体メーカーとしての実力はいまだベールに包まれている。4月、日経ビジネスはメディアとして世界で初めて、米エヌビディアを密着取材した。
さらに大ヒットしたGoogleのタブレット「Nexus 7」や、ニンテンドースイッチに採用されたTegraプロセッサのメーカーでもあることから、リアルタイム検索でもボロカスに言われており、炎上の様相を呈しています。
なお、この記事を手がけた島津翔氏の担当分野は自動車、自動車部品。
クアルコムなどの競合に押され、スマホやタブレット向けにTegraプロセッサを思うように売ることができなかったNVIDIAが数年前から車載向けにシフトしていることを考えると、島津氏がNVIDIAを知らなかった……とは若干考えづらいところ。
おそらくNVIDIAを知らない読者の層を意識して、あえて謎のメーカー呼ばわりしたと思われますが、その結果炎上するような形となってしまったのは皮肉な話かもしれません。