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加計学園獣医学部がBSL4(エボラ出血熱など)研究を「獣医師の役割」と主張、今治に世界最高レベルのバイオハザードリスク

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町おこしに大学を誘致したら世界最高レベルのバイオハザードリスクもついてきました。詳細は以下から。

こちらは6月23日付けで公開された加計学園・岡山理科大学獣医学部公式ページ。ざっくり解説すると同学部では「国際的な視野をもって地域の危機管理などに対応していく公務員獣医師」などの育成を目指すそうです。
開設にあたって|岡山理科大学獣医学部

しかし問題なのがこの段落。鳥インフルエンザ研究で世界トップクラスの実績がある京都産業大学を意識してか「動物のインフルエンザ」という微妙な言い回しをする一方で「エボラ出血熱」を挙げ、「防御態勢を整えていくことは獣医師の役割なのです」としています。

エボラ出血熱といえば微生物・病原体の危険度を表す「BSL(バイオセーフティレベル)」の中でも最大となる「BSL-4」に分類されるもの。
通常、ヒトや動物に重篤な疾患を起し、感染した個体から他の個体に、直接または間接的に容易に伝播され得る病原体。通常、有効な治療法や予防法が利用できない。
つまり岡山理科大学獣医学部は京都産業大学が研究している「鳥インフルエンザ(BSL-3)」よりも、さらにハイリスクなものへの対応を獣医師の役割として掲げているわけです。
なお、現状でBSL-4に対応できる機関は世界でもそう多くなく、国内では国立感染症研究所と理化学研究所筑波研究所のみ。両施設とも近隣住民の反対により近年までBSL-3までの運用にとどめていたほどの危険性ですが、本当に獣医学と深い繋がりを持つ農学や医学分野での実績がない岡山理科大学が取り組むべきことなのでしょうか。
また、興味深いのが学部長として就任予定の吉川泰弘氏のインタビュー。
52年ぶりの獣医学部に託されたミッションとは | インタビュー|岡山理科大学獣医学部

「新しい獣医学部は、岡山ではなく愛媛県今治市に設置されます。四国という地理的な特性を持つ地に誕生します。感染症の初動対応にはゾーニングが有効であり、本学はこうした危機管理の学術拠点としても期待されています」と述べています。

確かに疫学的に考えれば、ゾーニングによって被害を最小限にとどめやすい四国は人獣共通感染症の研究を掲げる施設にとって最高の立地だと思われますが、その発想自体が少し怖いと思ってしまうのは、筆者だけでしょうか。

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