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「Windows 7より10の方が2倍も高速」マイクロソフトの公式比較があまりにも度し難い

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Windows 10への移行を促すべくマイクロソフトが企画したWindows 7との比較が、パソコンユーザーを馬鹿にしているとしか思えないほどの雑さとなっています。詳細は以下から。

それではさっそく、マイクロソフト公式ページに掲載されている企画の内容を見てみましょう。五番勝負第一弾として企画されたのは、Windows 10とWindows 7のパフォーマンス比較です。
Windows 7 vs Windows 10 五番勝負 第 1 回 パフォーマンス編 – Microsoft atLife

比較に用いられたパソコンはこんな感じ。Windows 10パソコンは最新の第7世代Core i5-7200U、4GBメモリ、128GB SSD搭載なのに対し……

Windows 7パソコンは第3世代Core i5 3317Uに4GBメモリ、500GBのHDD搭載。えっ……?

「CPUの世代どころかSSD/HDD搭載まで違うのに比べる意味があるのか」という疑問をよそに、起動スピード対決とやらが進められていきます。

結果はWindows 10の方が2倍高速という数字に。そりゃそうでしょう。

他にも「PCの総合力対決」という企画がありますが……

ここでもWindows 10が1.7倍高パフォーマンスという結果になりました。もはやただのハードウェアベンチマーク比較な気がしますが、とにかく「Windows 10の方が高速、快適」と言いたいようです。

特設ページではツッコミを入れられた時のためのアリバイ作りのように、このような記述が盛り込まれていますが、本当にWindows 10がWindows 7より高速だと言いたいのであれば、そもそもハードウェア要件を揃えて比較すべきところです。
もちろん、PC の起動時間には SSD や CPU など、OS 以外のハードウェアのスペックも大きく影響します。Windows 7 が発売された 2009 年当時から、ハードウェアも大きく進歩を遂げており、Windows の進化と相まってこれだけの差が生じる結果となっています。起動時間がこれだけ違えば、PC を起動して使い始める時の快適さは、大きく変わります。そこで感じるストレスも、きっと 2 倍以上に感じるはずです。PC の起動時間に関しては Windows 10 の圧勝といっていいでしょう。
「サクサク快適に使いたければWindows 10にすぐに乗り換えるべし」という結論。しかし上記の条件であれば、よほど不自由していない限り「HDDをSSDに換装すれば一気にサクサクになるし、コスパもいいよ」というアドバイスで済ませてしまえそうです。

ちなみに東芝のSSD、ハイブリッドHDD、HDDでパソコンの起動速度を比較した様子はこんな感じ。フラッシュメモリ技術が成熟していない2012年時点でも、SSDとHDDでこれだけの差が出ているため、上記の比較はどれだけ意味がないのかがよく分かります。

セキュリティ面や回復ドライブを作れるところなど、Windows 7と比べて進化している面も多いWindows 10。しかしあまりに雑な比較の仕方をするのであれば、かえってユーザーの信頼を損ねてしまうことになりかねません。

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