ADSLの終了や光コラボの提供などによって、光回線を利用した固定通信サービスが花盛りとなっている昨今ですが、一方で問題となっているのが「夜になると通信速度が極端に落ち込む」というケース。
実際Buzzap!編集部員の自宅でも1Mbpsを下回るという、あまりにもストレスフルな事態が常態化しつつあるため、WiMAX 2+のホームルーターを試してみることにしました。詳細は以下から。
◆本当に1Mbpsを割り込むフレッツ光
まず見てもらいたいのが、Buzzap!編集部員が直面している固定回線(フレッツ光)の問題。夜になると下りが1Mbpsを割り込んでしまい、3G以下の通信速度になってしまいます。
測定データをまとめるとこんな感じ。速度も出なければpingが3桁になる場合があるなど、一昔前の3G回線の方がマシなのではないかと言いたくなるレベルに。なお、国内有数の大手プロバイダを利用しています。
◆フレッツ光の代わりにWiMAX 2+を試してみた
ここまで遅いと動画サイトどころかスマホアプリのアップデートすらスムーズにいかなくなってくるため、WiMAX 2+回線で代用できないか試してみることにしました。今回試したのは、WiMAX黎明期から対応端末を手がけてきたことで知られるシンセイコーポレーションのホームルーター「novas Home+CA」です。
WiMAX 2+やAXGPは2.5GHz帯の電波を使っているため、高速通信が利用できる一方で建物の中に弱いという弱点があるわけですが、「novas Home+CA」は可動式アンテナを搭載。外部アンテナを持たない筒状のホームルーターやモバイルルーターよりも電波を拾いやすく、安定した通信を利用できるのが特長です。
集合住宅でも使いやすいよう、2.4GHz帯に加えて、他のWi-Fiルーターからの干渉を受けにくい5GHz帯のWi-Fiを利用可能。もちろん高速通信を実現する「IEEE802.11ac」もサポートしています。
WPSボタンによってワンタッチでAndroidスマホなどを接続することもできます。
さらに1000BASE-Tの有線LANポートを2つ搭載。デスクトップパソコンやゲーム機、nasneなどと有線で接続できるため、オンラインゲームで遅延を減らすことも。固定回線のような配線工事一切不要、コンセントに挿すだけで無線LAN・有線LANを使って高速通信を利用できるのがnovas Home+CAの強みです。
さっそく電源を入れてみたところ。撮影の都合上、窓から離れた遮蔽物が多いところで起動することになりましたが、外部アンテナのおかげでちゃんと通信できています。
それでは通信速度を測定。
フレッツ光での通信速度(一番上)と比べると、WiMAX 2+の通信速度(2つめ以降)向上っぷりは如実。おおよそ10Mbps前後で通信できており、pingも2桁になりました。これだけ速度が出れば、動画配信サービスなどの利用も安心です。
◆通信量制限は大丈夫?
なお、フレッツ光の代わりにWiMAX 2+を利用するとなると、どうしても問題視されるのが通信量オーバーによる速度制限。WiMAX 2+では今年2月から3日間で10GB以上(従来は3日間で3GB以上)通信したユーザーに対し、1Mbpsまで速度を落とす制限を導入しています。
しかし通信速度制限が実施されるのは翌日18時ごろから翌々日2時ごろまでで、昼間は実質的な完全無制限に。さらに3日間で3GBが10GB(1日あたり実質3.3GB)へと緩和されたことで、毎日HD画質の動画を4時間ほど視聴できるようになりました。
また、今回のBuzzap編集部員の場合、仮に速度制限が実施されて1Mbpsになったとしても、それでもフレッツ光より速いという皮肉な結果となったため、「フレッツ光の速度が出なくて悩んでいる」という人は、WiMAX 2+を検討してみるのも良さそうです。
◆実はとんでもない機能を隠し持っているnovas Home+CA
フレッツ光とは比べものにならない速度が出たものの、撮影の都合で窓に近い場所に設置できなかったため、持ち前の外部アンテナを持ってしても通信速度が満足に出せなかった感のあるnovas Home+CAですが、実はこの機種の実力はこんなものではありません。
次の記事では、数あるWiMAX 2+ルーターの中から、novas Home+CAを指名買いしたくなるような特徴についてお届けします。
【毎晩1Mbps以下になるフレッツ光が地獄なのでWiMAX 2+ホームルーター「novas Home+CA」を試してみた】を全て見る