パナソニックの堅牢ノートパソコン「Let’snote」開発にあたり、ラッシュ時にかかる圧力を計測するために使われたほど混雑することで知られる東急田園都市線。
ただでさえ厳しい通勤が頻発する設備トラブルによって苦行と化しつつあります。詳細は以下から。
◆トラブルが頻発している田園都市線
最近田園都市線で発生したトラブルをまとめてみるとこんな感じ。1977年に地下鉄「新玉川線」として開通した渋谷~二子玉川間で、設備の劣化が原因とみられるトラブルが数多く発生しています。
・6月29日
桜新町駅構内の消防用送水管から水が噴出し、15時から1時間半渋谷~二子玉川間の運転見合わせ。原因は管の劣化。
・7月7日
渋谷駅付近のトンネル内でケーブルから発煙、20~22時ごろまで渋谷~二子玉川間の運転見合わせ。
・10月19日
三軒茶屋駅構内の配電所でショートが発生。信号系統に影響が出ている可能性があるため、朝9時9分に全線運転見合わせ。田園都市線と二子玉川、溝の口で接続しており、自由が丘経由で都心に出られる大井町線についてもキャパシティを超えるおそれから全線運転見合わせ。
・10月27日
あざみ野駅で車両(ただし東武鉄道所属)床下にある機器がショート。17時56分~18時8分まで全線運転見合わせ。折り返し運転開始も全線運転再開は19時半。
・11月15日(本日)
池尻大橋駅~駒沢大学駅間の架線トラブルの影響で、5時36分~9時57分ごろまで渋谷~二子玉川間の運転見合わせ。
特にラッシュ時を直撃する形で頻発している田園都市線のトラブル。今回も通勤・通学時間帯を直撃したことで、甚大な影響が出ています。
#溝の口 駅あちこちで怒号が飛び交ってる。#田園都市線 復旧見込み立ってないとか。 pic.twitter.com/Twe7mkRrfh
— FU-METAL (@azu_nero) 2017年11月14日
◆古い車両、殺人的な混雑、慢性的なラッシュ時の遅延
また、田園都市線はトンネル内の騒音が激しい旧型車両が未だに主力なため、車内環境はお世辞にも良いとは言えず、二子玉川~渋谷間で急行列車用の通過線があるのは桜新町のみということもあって、毎朝殺人的なラッシュや遅延が発生しているのが現状。
ラッシュ時の混雑っぷりに殺気だった乗客が乗降時にタックル→ケンカ勃発で電車がさらに遅延する、「性の喜びおじさん」として知られていた人物が乗客とトラブルになり、取り押さえられて死亡するなど、おハイソなイメージを打ち出したい東急の思惑とは真逆の、殺伐とした光景が沿線で繰り広げられています。
田園都市線 |東急電鉄
◆ダメ押しのマンション新築ラッシュ、抜本的な対策が必要な段階に
すでに朝のラッシュ時の遅延対策として、「二子玉川~渋谷間の急行運転を取りやめる」などの奇策を取り入れている田園都市線。しかし大手マンションデベロッパーが沿線に新築マンションをボコボコ建てているため、混雑状況が改善する見通しは一切ありません。
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複々線化を進めた小田急のような抜本的な対策が必要ではあるものの、地下区間であるためそう簡単にいかないわけですが、ただでさええげつないラッシュの過酷さを、設備の劣化による運行中止が加速させるのであれば、沿線の価値そのものを大きく毀損しかねない事態だけに、東急がどのような対策に踏み切るのかに注目が集まります。