桁1つ足りない投資額で「第4の携帯キャリア」になろうと意気込む楽天が、総務省にものすごい要望を出しています。詳細は以下から。
総務省の報道発表資料によると、同省が11月18日(土)から12月18日(月)までの間、新たに割り当てる1.7GHz帯および3.4GHz帯について意見募集を行ったところ、18件の意見が寄せられたそうです。
意見を寄せた中には現在使っている周波数帯を移行する必要があるNHKや民放各社、そして移行措置によって5Gで利用される4.5GHz帯が埋まってしまうことを懸念するZTEジャパン、さらに3キャリアで唯一1.7GHz帯を割り当てられていないKDDIなどが含まれています。
1.7GHz帯を保有していないことを割り当ての際に考慮するよう求めるKDDI。総務省は「考慮する必要はない」としていますが、グローバルで通用するバンドをほとんど保有していない同社にとっては死活問題であるため、どのような結果となるかに注目が集まります。
そして今回、携帯キャリア事業参入を表明したことで注目を集めている楽天が寄せた意見はこちら。13-3項において、「既存事業者が割り当てを受けるのであれば、新規参入事業者に対して基地局鉄塔などをより低廉かつ迅速に貸し出せ」という要望を出しています。
「さすがにムシが良すぎるのではないか」「そんな理屈が通るのであれば、10年前に血を吐きながらネットワークを整備していたイー・モバイルに適用してやれば良かった話ではないのか」など、いろいろツッコミたくなる楽天の要望。
大手各社は割り当てられた周波数帯にただあぐらをかいていたわけでなく、2G、3G、4G、そして5Gに向けて実際に兆円単位の投資を行ってきたことを考えると、6年間でわずか6000億円(ドコモの年間設備投資額と同じ)を投じるのみにとどまる同社には覚悟が足りないのではないか……という気がしてなりません。
次世代高速通信「XGP」のために2.5GHzを割り当てたウィルコム、1.7GHz帯を割り当てたイー・モバイルはソフトバンクに吸収され、BBモバイルは周波数返上、アイピーモバイルに至ってはサービスインすることなく自己破産……と、ほとんど上手くいった実績がない総務省による新規割り当て。
第4、第5の携帯電話会社を立ち上げさせたい同省は、いったいどこを着地点にするつもりなのでしょうか。