事業売却報道がとんでもない反響を巻き起こしている大阪の激安スーパー「スーパー玉出」。
同じ大阪でも富裕層の多い北摂エリアには出店せず、西成をはじめとした庶民が多い町を重点的にカバーするなど、そのスタンスの徹底っぷりには目を見張るものがある同スーパーですが、どのような雰囲気なのかが分かる写真たちをお届けします。詳細は以下から。
Buzzap!編集部が降り立ったのは、大阪の浪速区と西成区の境界にあたる「新今宮」駅前の交差点。なお、これらの写真は「いつかスーパー玉出の記事を書きたい」と思ったスタッフが2年前に撮影したものです。
交差点の角には30円でジュースを買える大阪の超激安自販機「おいなはれ」も。関東ではそうそう見られない自販機のため、こちらの記事も要チェックです。
30円でジュースを買える大阪の超激安自販機「おいなはれ」の魅力 | BUZZAP!(バザップ!)
東にはそびえ立つあべのハルカス。老朽化した建物が並ぶ新今宮エリアから眺めると、少し不自然な感すらあります。
ここでひとまず新今宮近辺を紹介。「カラーテレビ付 1250円」と書かれた破格の宿泊施設や……
「生活保護相談無料」と書かれたアパートメントが立ち並ぶエリアです。
近隣にはものすごく安いお弁当屋さんなどがあります。
大通りにある建物は古びたものも多く、色あせた感じが哀愁を帯びて見えることも。
野宿者のための生活・医療相談窓口
中には大阪市の施設もありますが……
入口の上には今なお残る「大阪市立愛隣会館」の文字の痕跡。ちなみに現在の名称は「西成区保健福祉センター分館」です。
路上生活者を中心に流行している結核の検診などが行われています。
路地裏はこんな感じ。なお、この近くにはかつて、知る人ぞ知る「竹の家」と呼ばれる施設があったそうです。
ここまでつまびらかにしていくと、西成エリアの雰囲気はだいたい分かってくると思われますが、そんな風景の中でひときわ異彩を放つのが……
このスーパー玉出。パチンコ屋と見まごうばかりの存在感です。
正面から見るとこんな感じ。「激安」という文字がとにかく並びます。
ここまで来ると視覚の暴力な感もありますが、見ていてなんだか楽しくなってくるから不思議です。
手前にある三角形の柵は、1993年に廃止された「南海天王寺支線」の跡。かつてこのエリアには路面電車が走っていました。
店頭に並ぶ商品たち。「いつ来ても安い」というのはやはり強く、庶民の心強い味方として受け入れられている一方、「お刺身だけは買いたくない」など、人によって折り合いの付け方が大きく異なる点もスーパー玉出の興味深いポイントです。
また、西成エリアを中心に実質的なドミナント戦略を展開しており、上記店舗のすぐ近くにある動物園前商店街などにも複数の店舗があります。24時間営業もあいまって「西成のセブン-イレブン」と言っても過言ではありません。
近隣の風景を見れば見るほど、なんだかすごいエリアに集中出店していることがわかるスーパー玉出。
しかしそんな西成エリアすら、外国人バックパッカーなどが簡易宿泊所に大挙して押し寄せたことや、星野リゾートのホテル計画で大きく変わりつつあるのが現状。スーパー玉出の事業売却も、時代の流れなのかもしれません。