Appleが今年9月に「iPhone 5s」「iPhone 5c」の2機種を発売しましたが、比較的安価なiPhone 5cを買ってはいけない理由が明らかになりました。どうやら製品寿命が大きく影響しているようです。詳細は以下から。
Apple’s Biggest Compromise With The iPhone 5c Over The iPhone 5s Is Life Expectancy – Forbes
アメリカの経済誌「Forbes」に掲載されたコラムによると、Appleが廉価版のiPhone 5cをリリースするにあたって、最も妥協した点は金属製の筐体ではなく、製品寿命だそうです。
iPhone 5cはLTEの対応バンド数、カメラの改善点、バッテリー容量を除けばiPhone 5と同じ性能で、プロセッサに32ビットの「Apple A6」を搭載。一方でiPhone 5sはCPU・GPUが最大2倍に強化され、64ビットアーキテクチャをサポートした最新プロセッサ「Apple A7」により、処理能力を向上させています。
そのため、iPhone 5sと5cの間に生まれる処理速度の差が製品寿命を縮めるのかと思いきや、問題はプロセッサの対応アーキテクチャ。
今日App Storeで提供されているアプリの大半は32ビット対応で、iPhone 5sでは互換モードを用いて実行されていますが、今後、アプリ開発者がApple A7に合わせて64ビット環境で開発するようになると、iPhone 5cは多くのアプリケーションで互換性を失う可能性があるとのこと。
また、iPhone 5sから新たに搭載された「M7プロセッサ」は加速度センサー、ジャイロスコープ、コンパスから送られるモーションデータを測るタスクを処理できますが、Apple A6で同様の処理を実行するとバッテリー容量や処理効率が犠牲になるとされています。
つまりApple A7(およびM7)を搭載しているiPhone 5s、iPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデル以外はアプリ開発者が64ビット環境へシフトすればするほど製品寿命が短くなるという図式が出来上がることになるため、今までよりも積極的に最新モデルを選ぶ必要が生まれているわけです。
ちなみにこの理屈で考えると、Apple同様、64ビットプロセッサへのシフトが取りざたされているAndroid陣営でも、「64ビット待ち」をしたほうがいい……ということになるのではないでしょうか。
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