以前Buzzap!編集部でもお伝えした東京医大による不正入試のツケが、いよいよ顕在化してきました。詳細は以下から。
◆東京医大に受験料返還訴訟へ
読売新聞社の報道によると、NPO法人「消費者機構日本」が消費者裁判手続特例法に基づき、東京医大に損害賠償請求訴訟を起こす方針を決めたそうです。
同NPOは東京医大の不正入試で不利益を受けた受験生の受験料返還を求めていた団体。根拠として公正に合格者を選抜しなかったことが債務不履行などに当たるとしています。
以前Buzzap!でもお伝えした通り、所定の受験料を受け取っているにもかかわらず、定められた役務(=募集要項にある通りの入試)を提供していないという点が問題となる東京医大。
もちろん「女子の一律減点」などは入試の要項に書かれていないため、同大は女子受験生たちから受験料をだまし取ったことになるわけです。
◆受験料返還だけでいいのか
なお、今年春に阪大の入試ミスが発覚した際、同大学は落とされた30人を追加合格とした上で、以下のような補償を実施しました。
・他の大学に払った入学金や授業料など「本来負担する必要がなかった経費」
・予備校代
・慰謝料
しかし東京医大のケースで問題となってくるのが、医学部の特殊性。医学部受験のための予備校は授業料が高く、河合塾の以下のコースの場合、授業料はおよそ185万円です。
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さらに東京医大が公開している入試情報を見ると、医学部は多浪が当たり前。4浪以上すら相当数います。不正入試のせいで多浪を余儀なくされ、数百万円規模の負担を強いられた受験生が存在する可能性は十分考えられるわけです。
「単なる受験料返還訴訟だけでいいのか」という気がしてならない、不正入試問題。
なお、東京医大は今年と昨年の入試で不利益を受けた追加合格対象者101人のうち、入学を希望した49人について、44人(男子15人、女子29人)の追加合格を認める一方、定員を理由に女子5人の入学を認めないと発表。
不正入試のしわ寄せを結局受験生が被るという、なんともやりきれない事態となっています。