ネットの普及に伴い雑誌媒体が衰退し、「G-men」「Badi」といった90年代創刊の新しいゲイ雑誌すら休刊してしまった昨今。
ゲイカルチャーを後世に残すことができるのか少し不安な面もある中、今までの歴史を振り返ることができる、非常に貴重なお店が二丁目にあります。詳細は以下から。
・はじめに
この企画の取材が行われたのは2018年6月末のこと。
しかし記事化しようとした矢先に「生産性」発言に端を発したLGBTをめぐる諸問題が起きてしまい、筆者の中でも心を整理する時間が欲しかったため、あえて時間を置いた今記事化しています。
・「ホモ本ブックカフェ オカマルト」を訪れてみました
昨年6月某日、カフェオカマルトを訪問することになったBuzzap!編集部員。初めての人のためにわかりやすく説明すると「ビッグス新宿ビル」を出て左折。そのままビルの壁沿いに歩いていると右側に見えてくる「第2成光ビル」が最初の目印です。
上に「DOCK」と書かれたバーの看板がある第2成光ビルと、駐車場の間を直進。
コレステロールタクヤさんのバーがありました。
ひときわ目立つ「毒」の看板を右折。
このあたりは新千鳥街と呼ばれる飲み屋街。ついにオカマルトの扉を発見しました。
「おかまとオカルトの古本屋 オカマルト」。ちょっとドキドキしつつも扉を開け、階段を上がると……
カウンターを囲む形で10席弱の椅子がある空間が。ここがオカマルトです。
13~20時にかけて営業しているオカマルト。今年でオープン3年目です。
店主のマーガレットこと小倉東さん。先日最終号が発売され、マツコ・デラックスを輩出したことなどでも知られるゲイ雑誌「バディ(1993年創刊)」の初代編集長です。
システムはメニューに掲載されています。
店内に展示された「ホモ本(同性愛について書かれた、同性愛者が書いた本、同性愛のキャラクターが登場する本など)」約500冊(蔵書数は1万冊以上)は閲覧自由。
1時間半で1ドリンク+お菓子付きの1500円(延長は1時間につき1ドリンク)の時間制を採用しています。
さっそく注文してみたところ。ホモ本を読みながら、おしゃれなティータイムを楽しむことができます。
まずは店内の様子をざっくり紹介。日本屈指のアングライベント「デパートメントH」など、各種イベントのフライヤーや情報ペーパーなどが配布されています。
これが本棚。思想、社会史、戯曲全集、ゲイ雑誌など、多様すぎるラインナップのホモ本が大量に陳列。希少な資料や高価な古本も交え、失われつつある古き良き(?)風俗、文化、歴史に触れることができます。
同性愛者として知られた哲学者、ミシェル・フーコーに関する著作も。
三島由紀夫や美輪明宏を扱った本やLGBTの子どもに寄り添うことを目指した本など、まさに多彩です。
もちろんBadiをはじめとしたゲイ雑誌も。同性愛関連の内容が収録された異性愛者向け雑誌まであるなど、ラインナップの濃密さはかなりのものです。
次の記事では具体的にどのような本が陳列されているのかを、編集部員の生まれ年に刊行されたゲイ雑誌や戦前戦後の各種歴史的資料とともにお伝えする予定。
日本における同性愛者の道のりを、当事者たちの生の声を交えて紐解いていきます。
・ホモ本ブックカフェ オカマルト(東京都新宿区新宿2-18-10 新千鳥街2F)
日曜日~水曜日 13時~20時:マーガレットの「オカマルト」
木曜日 13時~20時:ミノルの「モクマルト」
毎月第1日曜日 21時:大黒堂ミロの「ヨルマルト」
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