LGBTを「生産性がない」「性的嗜好(※正しくは『指向』です)」と断じ、ありもしない支援を「度が過ぎる」と切り捨て、野党を叩くための道具として政治利用した杉田水脈議員。
LGBTの子どもと対比して「普通に正常に恋愛出来る子ども」という表現を用いながら、「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」と笑顔で話す動画などに国内外から批判が集まる中、批判を「誤解」と責任転嫁した杉田議員が今度は謎の当事者団体を担ぎ上げました。詳細は以下から。
まず見てもらいたいのが、杉田議員のツイート。先週行われた「杉田水脈さんを育てる会」において、LGBTの当事者団体「一般社団法人日本LGBT機構」の理事長がスピーチしたことを明かしています。
古くは「OCCUR」「すこたん企画」「ぷれいす東京」など、LGBT支援団体は数あるものの、寡聞にして筆者は初めて知ることとなった「一般社団法人日本LGBT機構」。残念ながら団体公式ページなどはなく、公開情報である法人登記から2017年設立の団体であることが明らかになりました。
一般社団法人日本LGBT機構の情報|国税庁法人番号公表サイト
ちなみに2017年設立ではあるものの、Buzzap!編集部で調査した限り、一般社団法人日本LGBT機構の存在が世に出たのは杉田議員のツイートが初めて。その活動実績は不明です。
また、同団体理事長・東城氏のツイッターを確認してみると……
偏狭な政治思想とやらを糾弾し、「日本のLGBT活動を日本化し正道に戻します」とのこと。「のべ10万人のLGBTの生の声を聞いた」とのことですが、寡聞ながら筆者は存じ上げない人物でした。
多くのLGBTの意とは違うものをゴリ押しする偏狭な政治思想の活動家と信奉者。私は延べ10万人のLGBTの生の声を聞いた実態を知る叩き上げです。多数の声を聞かず、LGBT産業文化にも関わった事の無い現場を知らないまがい者達に席を譲ったのでは無い。私はもう一度立ち上がり日本のLGBT活動を日本化し正道に戻します。テキサス親父ことトニー・マラーノ氏を敬愛していることを表明する東城氏。
トニー氏は杉田議員と行動を共にし、慰安婦像に紙袋をかぶせたことなどでも知られる人物です。いきなり馬脚を現しすぎでは……
一方で政治家たちのLGBTに寄り添う取り組みは「左派色」「活動家色」と糾弾しています。彼の言う「偏狭な政治思想」とは、リベラル的なものにのみ当てはまるようです。
ちなみにどうしてLGBT支援活動がリベラル寄りになるかは、自民党のLGBTへの考え方を見れば分かりそうなもの。
「同性愛って、ちょっとついていけないなあ これは多くの方の率直な意見かもしれません」などと、表紙から関係者への配慮を欠いた強烈なジャブをお見舞いする「党の考え方」を配布する時点で、性的少数者が支援を求めるのは困難です。
もちろん同性婚にも反対。憲法改正しても認めるつもりはないという、筋金の入りようです。
東城氏のタイムラインで頻繁にリツイートされている元G-men編集長・冨田格氏。「少なくともゲイには、理解さえあれば支援は必要ない」など、老後の各種法律問題で困っている同性カップルなどを真っ向から否定しています。
また、冨田氏は昨年11月、LGBTを認めない統一教会率いる学生組織「UNITE」に賛意を示し、新潮45で同性愛者をボロッカスに叩いた小川榮太郎氏とツーショットで「この笑顔の、どこが差別主義者なの?」などと擁護。東城氏のアカウントはこの時期に開設されています。
ゲイ雑誌「G-men」元編集長が同性パートナーシップ制度を徹底攻撃した統一教会に賛意、小川榮太郎とツーショットで擁護も | BUZZAP!
何かを敵と見なしてヒステリーを起こしているのは、一体誰なのでしょうか……。
テキサス親父を敬愛し、リベラル的な存在のみ「偏狭な政治思想」「活動家」などと攻撃する東城氏率いる「一般社団法人日本LGBT機構」。
ずいぶん杉田議員にとって都合がいい当事者団体ですが、世の中には自分の差別を正当化したい人が使う典型的な論法「I have black friends」というものがあることを忘れてはいけません。
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