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【コラム】新潮45「生産性」から1年、杉田水脈議員はLGBTに何をしてきたかまとめてみた

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「生産性がない」で大炎上した「新潮45」への寄稿文から1年となる今日。
杉田水脈議員がLGBTに対してどのように考えを改めたのかを振り返ってみました。詳細は以下から。

◆杉田議員による新潮45の「LGBT支援の度が過ぎる」という記事
まず発端となったのが、昨年7月18日に発売された「新潮45」8月号の記事。

「LGBT支援の度が過ぎる」と題した杉田氏の文章は以下のようにLGBTを「生産性がない」と断じ、税金を使う事への嫌悪感を隠さないものでした。
例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のために税金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。
その部分だけをピックアップしても、全体を読んでも十分ひどい杉田議員の文章。しかし杉田議員は「他党の議員に切り取られて叩かれた」と居直りました。


◆大炎上で雲隠れするも、自分を擁護する意見はこまめに「いいね!」
しかし事態が大炎上するやいなや、ツイッターの更新を止めて雲隠れした杉田議員。しかしその実、自分を擁護する意見ばかり「いいね」し続けていました。
諸悪の根源はLGBTを政治問題の槍玉に挙げて「生産性がない」と踏みにじった自分自身ではなく「弱者の味方」「マイノリティの味方」を公言して政治利用する連中だそうです。

「LGBT問題程度」「つまらぬ揚げ足取り」など、LGBTを踏みにじる意見に賛意を示していました。

◆「LGBTに多額の税金が使われている」などといったことはありません
なお、日本のどこを振り返ってみても「LGBTに対して何らかの積極的な支援が行われている」「多額の税金が投じられている」といった実態はありません。
ここ数年で話題になったことといえば「同性パートナーシップ制度」ですが、あくまで異性愛者のカップルと同じ権利を認める制度です。異性愛者に先んじるものでも、ましてや優遇するものでもありません。「度が過ぎるLGBT支援」など、はじめから存在しないのです。
ちなみにBuzzap!編集部で調査したところ、「同性パートナーシップ制度」導入にあたって渋谷区(総予算額約858億円)が計上した予算は190万円。中学校の部活強化事業(410万円)や高齢者の口腔機能維持向上事業(600万円)に遠く及ばない規模です。

渋谷区は1万1000人程度のLGBT人口を抱えているとみられるため、むしろ費用対効果は非常に高く、何をもって「税金の使い道として生産性がないということ」と杉田議員が断言するのか理解に苦しむほどです。
◆「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」と笑いながら話す杉田水脈議員
そんな中で発掘されたのが、2015年公開の「【日いづる国より】杉田水脈、LGBT支援論者の狙いは何?」という動画。杉田水脈、中山恭子、すぎやまこういちがLGBTについて対談したものです。
「はっきり申し上げます。生産性がない同性愛の人達に皆さんの税金を使って支援をする。どこにそういう大義名分があるんですか?っていう」と述べる杉田議員。新潮45への寄稿文の内容は、かねてから温めてきた考えだったわけです。

「テレビの討論番組から電話が掛かってきまして、『LGBTの知識を学校教育で教えるべきかどうか』という事に対しての意見をくださいという風に言われまして、(中山恭子、すぎやまこういちの笑い声が入る)私は『当然そんなものは必要ありません』」


そんな動画の中で最も驚かされたのがこちら。「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」と笑顔で話しています。LGBTの子どもと対比して「普通に正常に恋愛出来る子ども」という表現を用いるなど、LGBTへの純粋な悪意しかありません。
杉田「はい。と言ったら、なんて言われたかというとですね、『同性愛の子どもは、普通に正常に恋愛出来る子どもに比べて自殺率が6倍高いんだ』と。『それでも貴方は必要ないと言うんですか!』みたいな事を言われまして(中山恭子、すぎやまこういちの笑い声が入る)」



あまりの内容にカタールの衛星放送局・アルジャジーラ公式ツイッターが報じるなど、この動画は国内だけでなく国外にも波及しました。

◆杉田議員を強力にバックアップし、LGBTを性犯罪と同列に並べた小川榮太郎氏
杉田議員の寄稿文が大反響となったことに気をよくした新潮45は2018年10月号で「【特別企画】そんなにおかしいか「杉田水脈」論文」という企画を実施。
中でも文芸評論家・小川榮太郎氏がLGBTを「性的嗜好(正しくは性的指向、性的嗜好はフェチなどを指す)」と断言した上で性犯罪と同列に並べて語るなど、偏見に基づく徹底したLGBT叩きを見せつけました。


「少数意見の偏重で国民は幸せになれるのか?」といったキャッチコピーが躍る本で対談するなど、杉田議員と親和性の高い小川榮太郎氏。だからこそ「LGBT支援の度が過ぎる」とする杉田氏同様、少数派のLGBTに対してここまで辛辣になれるわけです。

なお、Buzzap!編集部で調査したところ、小川氏が文芸評論家を名乗るにいたった「福田恆存の平和論論争」「セルジュ・チェリビダッケ」「ティーレマンの奇跡」などの主要論文は存在しないことが判明。
DVDやCDを視聴した感想文がブログに書かれていた程度という、なんともトホホな結果となってしまいました。
◆批判を誤解と言い切り、批判者に責任をなすりつける形で幕引き
そんな杉田議員がようやくコメントを発表したのは10月のこと。なんと批判を「誤解」と言い切り、批判者に責任をなすりつける最悪の形で幕引きを図ろうとしました。
しかしながら、当事者を差し置いて LGBT を政治利用すべきでないという思いや、政策の優先順位について私見を述べる目的であったにも関わらず、不用意に「生産性」という表現を用いたことにより誤解や論争を招いてしまったことや、結果として不快と感じたり、傷付いた方々がいらっしゃることを重く受け止めております。
「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」と笑いながら話す動画の印象の悪さを気にしたのか、以下のようなコメントも。しかし「何が悪かったのか」には触れておらず、謝罪するようなこともありません。
また、インターネット上で私が LGBT について私見を述べている動画が拡散されておりますが、当該の動画は約3年前に撮影されたものであり、その後自由民主党の LGBT 理解増進法案について学び、現在は理解を深めております。
◆ようやく表に出てきたと思いきや、今度は謎の当事者団体を担ぎ上げる
自らの非は認めず、決して謝らず、むしろ批判者が悪いと責任転嫁まで図ってしまう杉田水脈議員。そんな彼女が今年3月に見せた動きが、2017年に設立された活動実績不明のLGBT当事者団体「一般社団法人日本LGBT機構」を担ぎ上げることでした。


詳しくは以前詳報した記事を見てもらいたいところですが、代表が杉田議員と懇意のテキサス親父を敬愛し、リベラル的な存在のみ「偏狭な政治思想」「活動家」などと攻撃する時点で、どのような団体かは分かりそうなもの。

はっきり言って杉田議員にとって都合がいい当事者を担ぎ上げてきただけにすぎません。
◆「LGBTを差別していないので謝らない」と断言した杉田水脈議員
その一ヶ月後となる4月16日、杉田議員はLGBT当事者などの「LGBTに謝って下さい」という声に対して「私差別してないので謝りません!」「税金の使い道として生産性がないということ」などと断言しました。つまり何も変わってないわけです。

この騒動について、産経系列の夕刊フジが、4月16日の杉田議員とLGBT当事者の一件を「恫喝」と報道。

「私差別してないので謝りません!」「税金の使い道として生産性がないということ」などの発言や背景、そして謝罪などが行われていないことに触れることはなく、ただ「過激な批判を受けている」と解説した上で……
杉田氏は昨年7月発売の月刊誌で、性的少数者(LGBT)全体への行政支援に疑問を呈する文章を寄稿した。それ以降、過激な批判を受けているという。
杉田議員を「恫喝・罵声を受けた被害者」とのみ紹介しています。
杉田氏は「(体格のいい男性に)顔面10センチほどまで近づかれ、罵声を浴びた。信じられない状況で、怖かった。私が車に乗った後も10人ほどが追い、ナンバーを撮影されたりした。警察は30人ほどで、ビデオ撮影するなどして守ってくれた」と、恐怖体験を語った。
「70~80人の男性たちがプラカードを持って恫喝した」と読み取れる上記の報道については、実際に居合わせた人が以下のようにコメント。
不誠実としか感じられない態度を目の当たりにし、つい「傷ついた人達の気持わかるか?」と声を荒げてしまった……というこの人物。「私差別してないので謝りません!」という発言を不誠実と感じた人は、やはり少なくないようです。

夕刊フジの報道については以下のように述べています。どうやら杉田議員の主張だけを一方的に記事化していたようです。

フジサンケイグループや自分の都合のいい当事者団体に手厚く守られ、自分の放言については「相手が誤解した」と相手に責任をなすりつける杉田議員。少なくともこの1年、LGBTに対する考え方が改善したようには見えません。
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