ソニーのスマホ事業が、往年のHTCを見るかのような勢いで縮小しつつあるので、その歩みを振り返ってみました。詳細は以下から。
・2014年度(3910万台)
初のソフトバンク版登場で3キャリアから発売された「Xperia Z3」登場もあって、2014年のスマホ出荷台数は実に3910万台。バランスの良い構成もあって、Xperia Z3は多くのユーザーから愛されました。
・2015年度(2490万台)
そんなXperiaを襲ったのが、発熱問題が取りざたされたプロセッサ「Snapdragon 810」。Xperia Z4、Z5の発熱問題に悩まされたユーザーは少なくなく、筆者の周囲ではこれらのモデルを最後にほかのスマホに移ってしまったケースが相当数ありました。
・2016年度(1460万台)
Z4、Z5の評判が芳しくなかったせいか、2014年度の3分の1近くまで出荷台数が落ち込んでしまった2016年度。Xperia Z5とほぼハードウェア構成が変わらない「Xperia X Performance」、本格的に刷新した「Xperia XZ」がラインナップされました。
・2017年度(1350万台)
スマホ発売サイクルに手を加えたソニーは夏モデルを見送り、2017年秋冬モデルに「Xperia XZ1」を発売。2017年度の出荷台数はほとんど落ち込まずに済んでいます。
・2018年度(650万台)
しかしデザインを刷新した「Xperia XZ2」に続き、初の有機ELディスプレイを備えた「Xperia XZ3」も売れ行きは伸び悩み、出荷台数は2017年度の半分以下に。経営難で迷走したシャープが「AQUOS R」シリーズで盛り返すのと対照的な結果となりました。
・2019年年度(400万台、計画)
そして今年発売の「Xperia 1」。21:9という縦長ディスプレイを搭載した同モデルの立ち上がりは好調。しかし2019年7月30日、ソニーは2019年度のスマホ出荷目標台数を500万台から400万台へと引き下げました。
2019年度第1四半期の決算で黒字転換するなど、改善を見せたように見えなくもないソニーのスマホ事業。
しかし実態は人員削減や不採算地域などからの撤退による規模縮小で事業のランニングコストを引き下げて黒字に持ち込んだだけ。つまりジリ貧であることに変わりはないため、どこかで攻勢に転じる必要があります。
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