ソニーが不振のパソコン、テレビ事業について、大ナタを振るうことを発表しました。
◆ソニーによる「VAIO」開発は終了、事業は新会社に譲渡
Sony Japan | ニュースリリース | 「PC事業及びテレビ事業の変革について」
ソニーのプレスリリースによると、同社は本日、日本産業パートナーズ(JIP)との間で「VAIO」ブランドで知られるソニーのPC事業を譲渡する意向確認書を締結したそうです。
これはパソコン業界の構造が世界的に変化していることを受けたもので、ソニーは今後、モバイル領域ではスマートフォンおよびタブレットに集中するとのこと。
新会社への事業譲渡に伴い、ソニーはパソコンの企画、設計、開発を終了し、製造、販売についても各国で発売する2014年春モデルを最後に事業を収束しますが、アフターサービスは継続予定。
ソニーおよびソニーイーエムシーエスなどでパソコンの企画、設計、開発、製造、販売などの業務に携わってきた社員のうち約250~300名は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンシューマーおよび法人向けパソコンを販売する新会社で雇用される方針です。
◆「BRAVIA」
また、テレビ事業については2011年11月に発表された収益改善プランに基づき、限界利益率の改善に取り組んできた結果、損失が2011年度(1475億円)から2013年度には250億円程度まで圧縮できる見込みであるものの、黒字化は未達に。
しかし国内外で4Kテレビのシェアを順調に確保できるなど、テレビ事業の再生への道筋は見えてきていることから、4Kの商品ラインアップを一層強化し、広色域・高画質技術などを搭載した2Kも含め、高付加価値商品の販売構成比をさらに高める方針を採用。
さらにテレビ事業における経営の自立性を高め、事業責任を明確化するとともに、ビジネス環境に適した効率的でスピーディな事業体制への変革を実施するため、2014年7月を目途に事業を分社化し完全子会社として運営することを決定しており、収益構造の改善によってテレビ事業の黒字化を目指すとしています。
◆2014年3月期の連結決算は1100億円の純損失に
なお、先ほど発表された第3四半期連結業績概要によると、同社の2014年3月期の連結決算は1100億円の赤字に。
昨年末に発売された「PS4」が発売1ヶ月半で実売420万台を達成したほか、Xperiaシリーズの新商品も継続的に導入。さらにスマートフォンやタブレットの旺盛な需要に応えるため、イメージセンサーの生産能力を増強する方針が表明されています。