Huaweiの基地局を使わなければ法人税が軽減されることになりました。詳細は以下から。
◆ファーウェイの5G基地局を使わなければ減税
NHKの報道によると、自民党は本日開いた臨時の総務会で来年度の税制改正大綱を了承したそうです。
税制改正大綱の中には「5G導入促進税制」として、5G基地局を整備する携帯電話会社などに対して2年間、投資額の15%を法人税から差し引くか、1年間に損金として処理できる額を30%に拡大して法人税を軽減するかを選べる措置を導入。
日本経済新聞社の報道では携帯各社に限らず、工場内で独自に5G技術を使って無線通信する「ローカル5G」を整備する企業も税優遇を受けられるとのこと。
ただしこの税制が適用されるには政府の審査で「安全保障上のリスクがある部品が使われていない」と認定される必要があるため、事実上HuaweiやZTEなど中国メーカーの排除を念頭に置いたものと考えられます。
◆排除のツケを支払うのは……?
許認可事業のため、減税措置の有無を問わず国の意向に逆らえない携帯各社。政府が中国メーカーを排除すると決めた以上、従わざるを得ません。
しかしここで問題となってくるのがコスト。HuaweiやZTEが4G以降の基地局インフラで世界シェア上位に躍り出たのは、ひとえに豊富な特許群に裏打ちされた先端技術と大量生産によって低コスト化が進んでいるためです。
今年7月に行われたカンファレンスで5Gにおける自社の優位性を説いたHuawei。同業他社を大きく上回る15万局の5G基地局を出荷したとのこと。
基地局の軽量・小型化でトータルの展開コストを引き下げが可能に。基地局を大量に敷設する必要がある5Gでは非常に大きな意味があります。
ファーウェイの5G基地局は4G基地局より20倍も性能が優れています。こうした性能向上を実現する一方で、5G基地局の軽量化・小型化に成功し、お客様の5G展開コストを大幅に低減しています。そのため、ファーウェイの5G基地局はスタッフ2人がわずか2時間で設置することができます。これは4G基地局と比べると約半分の設置時間です。一般的に企業が機器や部材を調達する場合、複数のベンダーから相見積もりを取ることでコスト引き下げを図りますが、中国メーカー排除で日本の大手各社が5Gインフラを調達できるのはSamsung(韓国)、Nokia(フィンランド)、Ericsson(スウェーデン)の3社に。
必然的にコストを満足に引き下げられず、これらのメーカーに足元を見られかねない上、膨れ上がったインフラ整備費用は最終的にユーザーの通信料金に転嫁されてしまいます。
新たに導入される法人税の軽減措置は、5G整備コストを引き下げるための意味合いもあると思われますが、その原資は税金。結局のところ国民がツケを払わされるわけです。
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