「世界各地がパンデミックで混乱している間に、中国メーカーが各市場でシェアを獲得してしまう」
そんな可能性が出てきました。詳細は以下から。
台湾メディア「DIGITIMES」の報道(1、2、3)によると、中国のエレクトロニクス分野で部品製造を手がけているメーカー各社が、生産の再開を加速しているそうです。
これは国内でコロナウイルスの流行が落ち着きつつあることを受けたもので、生産が止まっていたことによる各種遅延など好ましくない事態を避けるために、可能な限り早く出荷を行っているとのこと。
一例として挙げられているディスプレイ分野では、大流行の震源地・湖北省を除くほとんどの地域で液晶工場の稼働率が回復しており、3月末までに約80%に達すると推定されています。
なお、Tianma MicroelectronicsのLTPS(低温ポリシリコン液晶)生産ラインが95%まで回復する一方、BOE TechnologyがHuawei向けに展開しているLTPSおよび有機EL生産ラインの稼働率は60%ほどにとどまる見通し。
Huaweiは次期フラッグシップ「P40シリーズ」のパネル注文を延期し、Novaシリーズに採用予定のフレキシブル有機ELパネルも削減したと報じられています。
世界が混乱する中、いち早く生産ラインを復旧させることで存在感を発揮している中国メーカー。「ライバルメーカーが生産量を落としてしまいさえすれば、ただ普段通り生産を続けているだけでシェアが上がる」状況となりつつあります。
しかし必ずしも順風満帆というわけではなく、シェア1位を獲得したインド市場を足がかりにヨーロッパへと版図を広げようとしていたXiaomiが伸び悩むおそれがあるとのこと。
同社は2019年第4四半期にスペイン、フランス、イタリア市場でトップ5入りを果たし、今年に入って各地で各種キャンペーンを展開していましたが、いずれの国もコロナウイルスで大きな打撃を受けているため、ヨーロッパでのシェア伸長は見込めないようです。
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