「感染者の報告数が昨日より減った。これで一安心」
当分の間はそんなことを考えてはいけません。詳細は以下から。
まず見てもらいたいのが、東京都の3月1日からの新型コロナウイルス新規感染者報告数推移。3月の第3週まで月曜日のみ報告数がゼロで、その後も月曜日の報告数が少ないことが分かります。
特筆すべきは志村けんさんの緊急入院から小池都知事の東京都ロックダウン示唆およびオリンピック延期発表までの流れ。オリンピック延期発表後に感染報告が跳ね上がっている点にも注目です。
4月になっても「月曜日の報告数が少ない」という状況は変わりません。
これはおそらく、都が報告する感染者数が基本的に前日までの分を集計したものであること、そして厚労省のデータからも分かるように土日は一部の保健所や民間検査会社が休むため、検査数が落ちることによるものと考えられます。
連日100人を超える報告が相次ぐ中、本日も新規感染者が91人と比較的少なめですが、4月7日発令の緊急事態宣言による外出自粛要請が本当に効果をもたらすのは、新型コロナウイルスの潜伏期間とみられるおよそ2週間前後のこと。
しかし周囲に商店街、住宅密集地、複数の老人ホームがある中野江古田病院で大規模な院内感染が発覚したほか、すぐそばの総合東京病院でも院内感染のおそれがあることが確認されるなど、予断を許さない状況です。
また、このような傾向を把握することなく、医療関係者が1日の報告数だけを取り上げて状況が改善したかのような誤ったメッセージを発してしまうケースもあるため、数字の扱いにはくれぐれも注意が必要です。
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