寝る前にスマートフォンをいじっていると、ブルーライトによって概日リズム(サーカディアンリズム)が阻害され、睡眠障害に陥る……という報告が各所で行われていますが、意外なアプローチで改善することが明らかになりました。詳細は以下から。
Trouble Sleeping? Go Camping – Scientific American
この記事によると、食事や仕事、睡眠といった日々の生活を室内で行い、日常で触れる光の大半が人工照明(人工光)であった人々を1週間キャンプさせ、人工照明の代わりに太陽光とキャンプファイアの光だけで生活させるという研究が行われたそうです。
その結果、脈拍・体温・血圧・などを低下させることで睡眠に向かわせる作用があるホルモン「メラトニン」の分泌が2時間早まり、被験者が実際に就寝する時間に前倒しされたほか、太陽のサイクルとメラトニンの分泌サイクルの周期がズレなくなるなど、体内で再調整作用が働いたことが確認されたとのこと。
なお、このような結果となった背景として、太陽光が屋内での人口光よりも4倍強いことや、光の性質が真昼と夕方では異なることが影響していることが挙げられており、睡眠障害の人々に対してキャンプに行くことが薦められています。
とはいえ1週間もキャンプに行くのは難しいわけですが、太陽光が非常に大きな役割を果たしているという研究結果を踏まえると、快適な睡眠や生活リズムのためには「夜は昼光色ではなく電球色の照明を、明るさを調節しながら利用し、寝る前はスマホを控え、なるべく朝日が差し込みやすい場所で寝る」といったアプローチも有効なのではないでしょうか。