携帯電話の基地局のカバーエリアを約1.7倍にまで拡大できるという、非常に期待できるアンテナをNTTドコモが開発しました。
報道発表資料 : 基地局のカバーエリアを拡大するアクティブアンテナの屋外実験に成功 | NTTドコモ
NTTドコモの報道発表資料によると、同社は従来型アンテナを用いた基地局と比較して、広範囲のエリアをカバーできる「アクティブアンテナ」を用いた日本初の屋外実験において、基地局の電気的損失を4dB低減し、より効率的に電波を送受信することに成功したそうです。
これは基地局のカバーエリアを約1.7倍拡大できるもので、郊外における効率的なネットワークの構築や、災害発生時における被災状況に応じた通信ネットワークの対策が可能。
アクティブアンテナの仕様。アンテナ素子と無線機を一体化することで、子局全体が小型化され、これまで設置が難しかった場所へも設置可能に。また、アンテナ素子ごとに無線機を搭載するため、一部の無線機が故障した場合も継続して通信サービスを提供できるほか、これまで以上にきめ細やかな通信ネットワークを構築できます。
なお、同技術は多アンテナ伝送技術「MIMO」との相性が良く、将来的にはLTE-Advancedや5Gなどのネットワーク構築の効率化も実現するとのこと。
今後NTTドコモが展開を予定しているLTE-Advancedにとどまらず、KDDIやソフトバンクモバイルが展開しているWiMAX 2+、AXGPといった各種高速通信サービスは2.5GHz以上の高い周波数を利用するため、建物などの遮蔽物に弱く、必然的にエリアが狭くなりがちですが、このような技術を用いれば従来よりもカバーエリアやつながりやすさを確保できるため、期待したいところです。