NTTドコモの回線を用いた格安SIMがにぎわいを見せていますが、ソフトバンクモバイルも参入する可能性が浮上しました。
ソフトバンク、LTE回線卸売りへ NTTに揺さぶり :日本経済新聞
日本経済新聞社の報道によると、ソフトバンクモバイルはMVNO(仮想移動体通信事業者)向けに3G/LTEネットワークの提供を開始する方針だそうです。
これはすでにNTTドコモがMVNO向けに提供している「レイヤー2(L2)接続」を新たに提供することで、MVNO側が幅広い種類のサービスを提供できるようになるというもの。早ければ今春にも申請し、認められ次第プロバイダなどでの卸売りを始めるとしています。
NTTドコモとL2接続しているMVNO事業者「OCN」の格安SIMサービス「OCNモバイルOne」の料金例。1日30MBまでの高速通信であれば月額980円で利用できるなど、非常に柔軟な内容となっています。
LTE回線の開放姿勢をアピールすることで、NTTの光回線開放を迫る狙いもあるのではないかとみられていますが、1つ問題となるのがMVNOでの契約獲得はNTTドコモにとっての生命線という部分。
NTTドコモがおよそ2年ぶりの純増数トップを記録した2013年12月度の地域別内訳。純増数27万9100のうち、実に24万200契約がMVNOでの契約数が一括カウントされる関東・甲信越地方と突出している一方で、spモード・iモード契約が純減しているため、純増数の大半をMVNOが担っていることが分かります。
つまりMVNO市場に他社が本格参入した場合、NTTドコモは契約数獲得の生命線を絶たれかねないわけですが、前出の日本経済新聞社の報道ではドコモのMVNO事業は採算割れ状態にあるとみられる一方で、総務省から料金引き下げを求められているため、ソフトバンクが採算とシェアのどちらを優先するか次第では、とんでもないことになりそうです。