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LTEの後継規格「LTE-Advanced」を名乗る通信サービスが今月中にもスタートすることが明らかになりました。
◆韓国で「LTE-Advanced」が今月中にもスタート
LTE / LTE-A
韓国メディアの報道によると、同国の携帯電話会社「SKテレコム」が早ければ今月中にも「LTE-Advanced」の商用サービスを開始するそうです。
これはクアルコムの最新CPU「Snapdragon 800」を搭載したGalaxy S4が今月中にも電波認証をクリアすることによるもので、9月に予定していたサービスインが大きく前倒しされるとのこと。
「Snapdragon 800」は複数の周波数帯を束ねて通信速度を高速化する「キャリアアグリゲーション」に対応しており、SKテレコムは850MHz帯と1.7GHz帯を組み合わせることで、下り最大150Mbpsを実現する予定。
◆正しくは「なんちゃってLTE-Advanced」
なお、下り最大150MbpsのLTEサービスについてはNTTドコモも2013年度中に開始する予定ですが、同社は同サービスを「LTE-Advanced」と呼称していません。
これは「LTE-Advanced」が「キャリアアグリゲーション」を必要不可欠としているものの、同時にMIMOの高度化などによる、さらなる周波数利用効率の向上を要求しているためで、現在はまだ技術開発段階です。
つまりSKテレコムが主張する「LTE-Advanced」はあくまでキャリアアグリゲーションを実現したのみであり、周波数利用効率などは現行のLTEのままであるため、正しくは「なんちゃってLTE-Advanced」と呼ぶべきもの。また、本当の意味での「LTE-Advanced」はNTTドコモが2015年にサービスインする予定であることがすでに報じられています。
正式に「4G」として認められた「LTE-Advanced」や「WiMAX 2」に対して、厳密には「3.9G」に位置づけられる現行のLTEやWiMAX、AXGPなどの規格が商業的に「4G」と呼称することを認められるなど、ややこしいことになっている通信業界。
さすがにSKテレコムの「LTE-Advanced」が正式に認められることはないと願いたいところですが、「言った者勝ち」の感がある昨今であるだけに、この1年以内に自称「LTE-Advanced」競争が始まるのではないか……という気がしなくもありません。
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