もともとゲイの中で使われてきた「ガチムチ」に続き、「GMPD」という聞き慣れない単語に一般化の兆しがみられることが明らかになりました。
◆日経トレンディが「GMPD」を紹介
太っている=褒め言葉! “GMPD”服がじんわりと浸透中 日経トレンディネット
流行やヒット商品を紹介する日経トレンディでは、身体の大きな男性、特に肥満体の男性などにするファッションを取り扱うファッションサイト「GMPD」が取り上げられています。
GMPDは「がち(G)」「むち(M)」「ぽっちゃり(P)」「でぶ(D)」の略で、同サイトは「太っている」を褒め言葉として考え、「コンプレックスにするな!武器にしろ」を合言葉に2013年4月にスタート。アメリカの古着をベースにした商品展開が行われています。
GMPD STORE
同サイトで販売されている「GMPDオリジナルTシャツ(5800円)」。「食わなきゃやってられないよ」という意味の英文があしらわれ、サイズはXXLまでの展開。本当の意味での太っている人々にはやや厳しいラインナップかもしれません。
テレビ番組で言うならば「ワールドビジネスサテライト」で紹介されたような形となるGMPD。この記事を読んだ太っている男性が一般的な単語だととらえて「自分はGMPDだ」と言い張るようになる可能性もありますが、中途半端に浸透してしまうと、とんでもないことになる危険性があります。
◆GMPDはもともとゲイ用語
以前BUZZAP!で「日本のゲイアプリでモテる写真の撮り方」をゲイの読者に教えてもらいましたという記事をお届けした際、日本のゲイシーンについて語ってくれた読者によると、GMPDは本来ゲイ用語で、言葉の意味は先ほど解説した通り「ガッチリ・ムッチリ・ポチャ・デブ」。
このようなカテゴリー分けができた背景には、男性同性愛者間では体付き(ガタイ)のいい層に相当数の需要があり、彼らの中で自分たちを区分するために取り入れられたという経緯があります。
各カテゴリーの詳細はこんな感じ。気が付けば一般化しつつある「ガチムチ」という単語は、この中でも多くの人から支持を得られるガッチリとムッチリに属する人々を指します。
ガッチリ:筋肉多め
ムッチリ:筋肉と脂肪が程良いバランス
ポチャ:脂肪多め
デブ:脂肪が大半
ただしこの分類は自己申告による部分も多く、ゲイの間でも「(世間的に見れば)結局みんなデブじゃないか」というツッコミもあるとのことで、たとえゲイであったとしても使う時は一定の注意を払う必要がありそうです。
上記のように「GMPD」という単語は主にゲイシーンで用いられてきた経緯があるため、誤解が発生しかねないことを考えれば、今後よほど一般化するようなことがない限り、ゲイでない人が迂闊に使うのはなるべく避けたほうがいいと思われます。
◆選択肢が少なかった「大きい人」向けの服に改善の兆し
ちなみに身体の大きい人が着られる服の選択肢は実際少なく、「サカゼン」や「グランバック」のような大きいサイズ専門店が家の近くに無いというケースもザラにあると思われます。
しかし昨今、インターネットを中心に以下のような独自色ある専門店が開設され始めており、じわじわと選択肢が広がっているため、今後「太っていてもオシャレしたい」という層のニーズに応えられる時代が訪れるかもしれません。
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