つながりにくさへの不満や、つながりやすさやエリアに大きく影響するプラチナバンドLTEの展開状況を無視するといった、強引とも取れるやり方で「ソフトバンクの通信サービスが1番」と主張するマーケティング機関「MMD研究所」。
先日発表された「適正なスマホ料金」調査では、ソフトバンク傘下のワイモバイルが提供する料金とほぼ一致するという、興味深い内容となっていましたが、今度はサービス内容とほぼ一致する調査結果が発表されました。
これがMMD研究所が行ったスマートフォンのデータ通信・通話利用に関する調査結果。スマートフォンで1ヶ月に通信するデータ量は「あまり理解していない(28.1%)」を除けば、「1GB未満」が最多だったそうです。
「あまり理解していない」を除くと、1GB未満が18.8%で2GB未満は18.2%。合わせて約4割という数字に。
あまり理解していない人たちに、データ量の目安を伝えた上で「1ヶ月で2GB」は足りるかどうかを質問したところ、「足りると思う」「まぁまぁ足りると思う」が7割以上に。「あまり理解していない人たちは、その目安についてもあまり理解していないのでは?」という気がしなくもありませんが、大丈夫なのでしょうか。
また、キャリア番号を利用した1ヶ月の通話時間は86.1%が「1時間未満」と判明。
「通話アプリを利用していない」を除けば、LINE電話が通話アプリとして最も支持を集めています。
スマホを購入する時に重視するのは性能、そして価格。
こだわるポイントでは、「高くても高性能なものを使いたい」が35%でトップとなる一方、「安く抑えたいので性能は高くなくてもよい」が27.9%に。実はメーカーへのこだわりはあまりありません。
1ヶ月あたりの動画視聴時間は「まったく見ない」「5分未満」「5分以上10分未満」を合わせると過半数を突破。YouTubeをはじめとする各種動画サービスがここまで普及した今、ストイックな使い方かもしれません。
多くのユーザーが1GB未満で事足りており、キャリア番号を用いた通話は多少する程度、動画も見ず、端末の価格を重視する層も相当数いる……という、ワイモバイルのサービス内容にほど近い結果となったMMD研究所の調査。
適正だと思うスマホの平均月額料金の調査結果が、くしくもワイモバイル新料金プラン(スマホプランS+「STREAM S 302HW」を24回払いで購入した場合、月額3980円)とほぼ一致する4045円だったこともあり、この一致っぷりは不思議な気がしてならないわけです。
そして鍵となりそうなのが、詳細資料にのみ掲載されている調査対象者の年齢分布グラフ。20代、30代、40代が25%ずつ、50代、60代が12.5%ずつと、揃えたかのような数字となっています。
しかし今年4月に総務省が発表(調査は昨年12月)したデータでは、20代のスマホ利用率が87.9%、30代でも78.7%と圧倒的多数を占めるのに対し、40代は58.8%、50代は32.4%と急落。60代に至っては8.7%しか利用していません。
つまり「スマホ利用者」という括りで調査対象者をランダムに抽出した場合、20代・30代の比率はより高くなると考えられ、60代が12.5%を占めるMMD研究所のような年齢分布になることはまずありえないわけです。
世代別の普及率を無視し、スマホを積極的に使う若年層とそうでない高齢層をあえて同数にそろえた上で、「1ヶ月のデータ通信使用量は1GB未満が最多」と主張するのはさすがに乱暴ではないか……という気がしますが、MMD研究所は何のためにこの調査を行ったのでしょうか。
1カ月のデータ通信使用量は「1GB未満」が最多、「2GB未満」で約4割 | スマートフォンのデータ通信・通話利用に関する調査