今年6月に完全通話定額を盛り込んだ新プラン「カケホーダイ&パケあえる」を提供開始したNTTドコモ。
8月末に旧プランの新規受付を終了し、事実上通話をしない人にまで新プランへの移行を強制しているわけですが、いったい今、どのような状況となっているのでしょうか。
◆月々サポート打ち切り、既存ユーザーを無理矢理新プランに移行させるドコモ
まず、最初に振り返っておきたいのが、NTTドコモが旧プランの新規受付終了にあたって発表した内容。
なんと2014年9月1日以降にスマホを購入するユーザーは、旧プランを利用していた既存ユーザーが機種変更する場合であっても、「カケホーダイ&パケあえる」に加入しない限り、月々サポートが受けられなくなることが告知されました。
iPhone 6(16GB)に旧プランのまま機種変更した場合と、新プランで機種変更した場合の本体代金比較(24ヶ月利用時)。その差は実質6万円にもなるため、これでは旧プランを使いたくても使えません。
・ドコモ版iPhone 6(16GB)機種変更時の本体代金
旧プラン:7万3872円(月額3078円)そのまま
新プラン:7万3872円(月額3078円)-月々サポート6万2208円(月額2592円)=1万1664円(月額486円)
なお、ドコモ公式ページによると、10月10日時点でのカケホーダイ加入者数は900万人。機種変更ユーザーも半強制加入となることで、今後さらに伸びることになると思われます。
◆MNP獲得は諦めた?iPhone 6商戦も唯一新プランのみで押し切る形に
そしてドコモの新プランへの執着っぷりが顕著となったのが、9月19日からのiPhone 6商戦。
当面旧プランを存続させる方針を表明していたauと、急遽新プランへ一本化する時期を遅らせたソフトバンクに対し、ドコモは新プランのみで臨んだ結果、MNP利用時の料金は以下のようになりました。
・au、ソフトバンク
LTEプラン(2年間0円)+LTE NET+LTEフラット(2年間5200円)=5500円
ホワイトプラン(2年間0円)+S!ベーシック+パケットし放題フラット for 4G LTE(2年間5200円)=5500円
・ドコモ
カケホーダイ+spモード+データMパック=8000円
「1~21時までの自社間通話定額+データ通信7GBで5500円」と「国内完全通話定額+データ通信5GBで8000円」という大きな違いが生まれた各社の旧プランとドコモの新プラン。
LINEなどの無料通話アプリがこれだけ普及し、高画質な写真や動画、ゲームなどのコンテンツを楽しむためにデータ通信を多用するユーザーが増えた今、後者をあえて選ぼうという人がどれだけいるのかは非常に微妙なところです。
このように、ともすれば契約者獲得競争を諦め、MNPで流出しても構わない……という姿勢すら見えてくるドコモですが、なぜ同社がそれでもなお新プランへの一本化を進めるのでしょうか。後編に続きます。