携帯電話各社の2014年度シェアが発表されました。ソフトバンクが携帯電話事業参入以来、初となる年度末時点でのシェア減少を記録しています。詳細は以下から。
◆今もなお伸び続ける携帯電話、ソフトバンクのシェア減少
総務省|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成26年度第4四半期(3月末))
総務省が発表した2015年3月末(2014年度末)時点での携帯電話契約状況によると、携帯電話の契約数は1億4998万(前年同期比5.4%増)、携帯電話・PHS・BWA(WiMAXおよびAXGP)の契約数は1億5772万(前年同期比5.0%)。
また、LTEの契約数は前年同期比46%増の6778万で、PHSの契約数は前年同期比7%減の516万。BWAの契約数は前年同期比160.9%増となる1947万に達しており、携帯電話やBWAがシェアを伸ばす中、PHSだけが落ち込んでいることが分かります。
そして2014年度末時点での携帯電話事業者別(グループ別)のシェアは以下の通り。ソフトバンクが年度末時点で初となるシェア減少を記録しています。
・NTTドコモ
42.4%(前年同期比+0.2%)
・KDDI(沖縄セルラー、UQコミュニケーションズ含む)
28.6%(前年同期比+0.5%)
・ソフトバンク(ワイモバイル、ワイヤレスシティプランニング含む)
29.0%(前年同期比-0.7%)
◆ソフトバンクのシェア減少は「ダブルカウントが見直されたため」
ソフトバンクだけがシェアを落とすことになった今回の契約数。そこまで不調に見えない同社がどうしてそのような事態に陥ったのかが気になるところですが、これは総務省が(PDFファイル)今期から契約数のカウント方法を見直したため。
現在、携帯電話会社は3つのグループで構成されており、KDDIやソフトバンクは傘下に複数の通信事業者を抱えていますが、今までは、同じグループ内の2つの通信サービスに対応したスマホやルーターなどが契約された場合、合計2契約とカウントされていました。
最も分かりやすい例がiPhone 6。au版は3G・LTEを提供するKDDIと、WiMAX 2+を提供するUQコミュニケーションズ、ソフトバンク版は3G・LTEを提供するソフトバンクモバイルと、AXGPを提供するワイヤレスシティプランニング……といった具合に、1台売れるごとに2契約カウント。なお、ドコモ版は当然1カウントです。
そしてソフトバンクはウィルコムのPHSとソフトバンクの3G、ワイヤレスシティプランニングのAXGPに対応した「DIGNO DUAL 2 WX10K」など、1台で3契約カウントできるスマホを提供するなど、グループ内での重複カウントを積極的に利用してきた側面がありました。
しかし新たなルールでは「グループ内取引調整」が導入され、あくまで1契約とカウントされるように。その結果、重複カウントを利用できないドコモが一番割を食っていた構図が改善され、ソフトバンクはシェアを落とすことになりました。
グループ内取引調整後と、今までの単純合算との比較。単純合算すると32.5%あったソフトバンクのシェアが29.0%に落ち込む一方で、単純合算では37.6%だったドコモのシェアは42.4%になります。
なお、PHSやBWAを除いた携帯電話のシェアを比較するとこんな感じ。携帯電話単独ではドコモ、KDDI、ソフトバンクの順番のままです。