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任天堂NXは単なる1枚の格安タブレットか、その正体を模索してみた

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2016年の中ごろにも発売されるのではないかと目される任天堂の次世代ゲーム機「NX」。
君島新社長による「Wii、Wii Uの後継機ではない」という発言が飛び出す中、その正体が一体何なのかを考えてみました。詳細は以下から。

◆NXはWii、Wii Uの後継機ではない
まず確認しておきたいのが、故・岩田社長に代わって任天堂の社長に就任した君島達己氏がTIME誌のインタビューに対して、「NXはWii・Wii Uの後継ではない」と明言したこと。
さらに「Wii UはWiiの10分の1しか売れていませんが、今後もWii U向けのソフトは作り続けていく」とコメントしているため、NXは据置ゲーム機でなく、携帯ゲーム機寄りのデバイスとなることが分かります。
14 Things Nintendo President Tatsumi Kimishima Told Us | TIME

◆一番現実的なのが、「Androidベースの独自OSを採用した格安タブレット」という路線
そしてNXが携帯機である以上、やはり気になるのがそのOS。
「Androidではないか」という報道を受け、任天堂は今年6月に「NXのOSがAndroidだという事実はありません」と回答しましたが、ニンテンドー3DSは今、深刻なソフト不足に見舞われています。
これは任天堂の2015年上半期(4~9月末)決算資料。「Newニンテンドー3DS」の国内発売が牽引し、3DSシリーズ本体は前年同期比19万台増の228万台を売り上げたものの……

ソフトの販売数は前年同期比410万本減となる1920万本。発売されたタイトル数も国内こそ増えたものの、全世界で見ると100本程度しか発売されていません。

ニンテンドーDSが半年で669万台、ソフトが5484万本売れ、実に400本近いタイトルが発売されていた5年前の2010年上半期と比較すると、どれだけ任天堂の携帯ゲーム機事業が縮小したのかが分かるのではないでしょうか。

上記のような右肩下がりの状況を鑑みると、任天堂に必要なのはAndroidなどに向けてゲームを提供している開発者などを積極的に取り込むこと。今、完全に独自のプラットフォームを用意しても、圧倒的にパイが多いAndroidやiOSにゲーム開発者が流れていくのを食い止めることはできません。
さらにゲーム以外のこともできるスマホやタブレットがこれだけ普及した今、携帯ゲーム機をユーザーに買わせるのは至難の業。
それならばユーザーがゲーム以外のことも楽しめるようにした上で、自社のコンテンツを積極的に楽しんでもらえるプラットフォームを提供できるAmazonの「Kindle Fire」のようなAndroidベースのカスタムOSを採用した格安タブレットを提供する……というのが、最も現実的な解であると思われます。
◆任天堂がコントローラー型デバイスの特許を取得
上記のように、おそらくAndroidベースのOSを採用したタブレットという路線が現実的ではないかと思われるNXですが、任天堂は2015年6月に以下のようなコントローラー型デバイスの特許を申請していたことが判明。


コントローラーとディスプレイを組み合わせたもので、16:9のタッチパネル上に仮想的なボタンやスティックを表示することも可能。


CPUやRAM、フラッシュメモリ、メモリカードインターフェースなどを備えており、ゲーム機のコントローラーではなく、あくまで単独のゲーム機として機能するものです。

しかしAppleが申請したiPhone向けの特許がすぐさま実現してこなかったことを考えても分かるように、申請された特許がすぐさまNXにつながるというのは考えづらいのが実際のところ。
また、図のような楕円形のディスプレイはコストがかかり、普及に向けて最も悪影響が出かねない本体価格の上昇を招いてしまうことを考えると、申請された特許はあくまで将来に向けたものであると考えたほうがよさそうです。

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