格安スマホ市場に彗星のごとく現れ、そのまま盛り上がることなく消えていったVAIO Phone。
日本通信の三田聖二会長がその失敗についてコメントしています。詳細は以下から。
「VAIOフォンの失敗は、私のチョンボだ」 | 通信 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
東洋経済が日本通信の三田聖二会長に対して行ったインタビューによると、三田氏はVAIO Phoneの失敗を認めた上で、その原因をメーカー破綻でガラス部品の調達に時間がかかり、製品発表から3ヶ月消費者を待たせてしまったことでVAIOのブランド力を生かせなくなったためとコメントしています。
VAIOというブランドに効果があると思っていたが、製品発表(2014年12月)から出荷まで3カ月待たせたことで、消費者向けの市場が冷えてしまった。どんなにブランド力があっても同じ事が起こる。(消費者が)ブランドで動くという効果が(3カ月遅れたことで)薄まってしまった。
ただ、消費者向けの製品として、消費者向けの販売チャネルで「同じ製品のようなものだけど、こっちのブランドのほうがセクシーだから買いましょう」という影響は冷えてしまった。それが利用できなくなったというのは、「私が責任を持たなくてはいけないチョンボの一つ」というふうに歴史に残るのではないかと思う。失敗を認めること自体は大事なことですが、VAIO Phone失敗の最大の原因として世間で認識されているのが、そもそもパナソニックが海外で販売している「ELUGA U2(約3万円)」と同モデルにVAIOロゴを付けただけのものを5万円で売ったこと。
たとえ同じスペックだったとしても、せめてVAIOらしい唯一無二のデザインでプレミアム感を演出できれば、ある程度価格を上乗せしても受け入れられたと思われますが、製品自体があのままならば、たとえ発売が遅れなかったとしても、売れ行きが伸びなかったことは想像に難くありません。つまり三田会長の分析は根本的に間違っているわけです。
ちなみにBCNランキングによると、VAIO Phoneの初週売り上げは101位。あまりの売れ行きの悪さからか、2ヶ月後には大量の未使用品が中古ショップに流れるなど、こっそりと敗戦処理が行われていました。
後にVAIO新社長が「あれは安易な名義貸しだった、もうやらない」とコメントするなど、黒歴史化してしまった初代VAIO Phone。
先日VAIOはWindows 10 Mobileを採用した自社開発の「VAIO Phone Biz」を4月から法人向けに販売することを表明しましたが、こちらはアルミニウム削り出しボディやひと味違ったプロセッサを採用するなどのこだわりを見せており、ユーザーが望む「VAIO Phoneらしさ」を醸し出せています。