今までハイエンドスマホを中心に搭載されていた有機ELディスプレイが、より一般的なものになります。詳細は以下から。
韓国メディアの報道によると、多くのスマホで採用されている5インチディスプレイの製造コストは2015年第4四半期時点で有機ELが17.1ドル(約1940円)、液晶は15.7ドル(約1780円)だったのに対し、2016年第1四半期には有機ELが14.3ドル(約1620円)、液晶は14.6ドル(約1660円)と逆転したことを調査会社IHS Technologyが明かしたそうです。
このような逆転現象が起きた背景には、Samsungが中国の大手スマホメーカーと契約し、大量の有機ELディスプレイを供給するようになったことで、製造ラインが90~95%と高稼働率になったことや、スマホ向け有機ELの量産にこぎ着けて5年が経過し、生産ラインの減価償却が終了したことなども上げられています。
なお、IHS Technologyの主席研究者は、製造ラインの稼働率が95%に維持されている場合、生産率が70%である場合よりも約16%の製造コストを低減することができると指摘。Samsungは今後、自社が持つA3ラインで有機ELを追加製造するための設備を準備しているため、今後さらに生産コストが低下し続けるとしています。
ちなみにAppleがiPhoneにSamsung製を含む有機ELを採用するのは2018年の予定。iPhoneの有機EL採用をきっかけに、スマホ向けディスプレイの勢力図が書き換えられると思いきや、有機EL化の波はより早く訪れることになりそうです。
Production Cost of Smartphone AMOLED Is Lower than Production Cost of LCD