ソニーや東芝が2008年に立ち上げた近接無線通信「TransferJet」。
タッチするだけで通信でき、しかも最大560Mbpsという、なかなか便利な規格にもかかわらず、普及への道のりはまだまだ遠いわけですが、さらに高速な次世代規格が登場することが明らかになりました。詳細は以下から。
ワイヤレスジャパン2016のTransferJetブース。
次世代TransferJetがミリ波(60GHz)を採用することで、最大10Gbpsの通信速度を実現することや、同規格の「IEEE802.15.3e」としての標準化が2017年に完了することが告知されています。
TransferJetコンソーシアムでは、ソニーや東芝、NTT、オリンパス、日本無線がプロモーターとして名を連ねています。
かつては対応機器の少なさに泣かされたTransferJetですが、世界初のTransferJet内蔵スマホ「ARROWS NX F-04G」をはじめ、ようやく内蔵機器がじわじわと増えているのが現状。
さらにSDHCメモリカードやスマホ、パソコン向けアダプタもラインナップされています。
ファミリーマート500店舗にある情報端末「Famiポート」でコンテンツ配信実証実験がスタートします。
日本無線ブースでは、次世代TransferJetを用いたデバイスでの実機デモが展開されていました。
デモ機の様子。Xperiaに次世代TransferJetモジュールを合体させたものです。
背面にはミリ波通信デバイスが。中央にファンがあることからも分かる通り、とんでもない排熱です。
実際に持ってみたところ。この爆熱デバイスが、数年後には今のTransferJetデバイスのようになると考えると、少し胸が熱くなります。
実際に100MBの動画を転送してみたところ。駅の改札にSuicaを通した時のように、ほんの一瞬で転送が終了しました。
実際の通信速度は4.5Gbpsほどです。
400MBの動画を転送しても、やはり転送は一瞬。
その転送速度は5.5Gbpsという、なかなかとんでもない数字です。
5Gに連なる技術として各社が研究を進めているミリ波を採用することで、より普及のメドが立ちそうな次世代TransferJet。今度こそ大容量コンテンツ時代のスタンダードな通信技術となるのでしょうか。