日常生活のあらゆる場所で見かける健康食品。ダイエット目的や、必須栄養素を十分に摂るために利用している人も少なからずいると思われますが、副作用があることが明らかになりました。
健康食品の4割、薬の効き目低下招く 厚労省 :日本経済新聞
日本経済新聞社が報じたところによると、2010~2011年度に厚生労働省の研究班が、各地の薬局約100店舗を対象に健康食品の販売状況を調査を行い、取り扱いがあった243品目のうち約200品目について、医薬品への影響をみるため順次実験を行ったそうです。
実験ではヒトの肝臓を模した培養細胞に健康食品の抽出成分を吸収させ、医薬品成分を分解する際に働く2種類の酵素「CYP3A4」「CYP1A1」が活性化するかどうかを調査。その結果、いずれか、または両方の酵素を活発に働かせる健康食品が約80品目に上ったとのこと。
これらの健康食品では医薬品成分が効力を十分発揮する前に分解される傾向があり、特にハーブやウコンの成分を含んだダイエット関連の商品は薬効低下が顕著に。また、効果が弱まると考えられる薬として、睡眠薬、降圧剤、抗うつ薬、免疫抑制剤などが挙げられています。
ちなみに薬の効き目に影響を与えてしまうものは健康食品以外にもあり、中外製薬公式ページではコーラやジュース、牛乳などで薬を飲むと、吸収が遅くなったり、悪くなったりして効果も薄まる傾向がみられることが取り上げられています。
コーラで飲んだ場合の薬の血中濃度。水で飲むのに比べて上がり方が遅くなることがあるとされています。
また、グレープフルーツやグレープフルーツジュースに含まれている「フラノクマリン」という物質は前述の酵素「CYP3A4」の働きを阻害する作用があり、さらにその作用が3日ほど続く場合があるなど、気を付けるべき点がピックアップされているため、一度チェックしてみると良いと思われます。
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