大手通販サイト「Amazon.co.jp」が電子書籍で大幅な価格攻勢を仕掛けていることが明らかになりました。詳細は以下から。
Amazon.co.jpの電子書籍配信サービス「Kindleストア」では2013年11月17日5:00現在、大手出版社各社のコミックスが大幅割引で販売されています。
まずは佐々木倫子の代表作「動物のお医者さん(白泉社)」。紙の本が410円であるのに対し、Kindle版は394円に値下げされ、さらに半額分に相当する197ポイント還元。つまりポイント還元分を含めた実質価格ではあるものの、紙の本と比較して半額以下となるわけです。
Amazon.co.jp: 動物のお医者さん 1 (白泉社文庫) eBook: 佐々木倫子: Kindleストア
現在テレビアニメ放送中の「ぎんぎつね」も紙の本が630円であるのに対し、Kindle版は368円に。さらに184ポイントが還元されるため、実に3分の1以下にまで値下がりする計算に。
Amazon.co.jp: ぎんぎつね 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 電子書籍: 落合 さより: Kindleストア
漫画版「皇国の守護者」でも知られる伊藤悠の「シュトヘル」も紙の本が620円で、Kindle版は420円から210ポイント還元。
Amazon.co.jp: シュトヘル(1) (ビッグコミックススペシャル) eBook: 伊藤悠: Kindleストア
もちろん既刊だけでなく、最新刊も対象に。アニメ化され人気沸騰中の「進撃の巨人」第12巻も紙の本が450円なのに対してKindle版は420円。そして210ポイントが還元されます。
Amazon.co.jp: 進撃の巨人(12) eBook: 諫山創: Kindleストア
価格自体を直接値引きせず、ポイントで還元する背景については、書籍や雑誌が再販制度の対象であることが影響していると考えられますが、ここまであからさまな攻勢が仕掛けられると関連業界からの反発が気になるところ。
すでに書籍購入額の10%がポイント還元される「Amazon Studentプログラム」に対して日本出版者協議会が「再販制度の存続を脅かすもの」として今年8月に抗議しています。
また、Kindleの普及で書店の減少に拍車がかかるという懸念もありますが、Kindleをディスカウント価格で仕入れて販売でき、さらに購入者が本をダウンロードするごとに、2年間売り上げの10%が還元される「Amazon Source」という書店向けの施策をアメリカのAmazonが発表するなど、折り合いを付ける方法も模索されています。
Amazon.co.jp: コミック : Kindleストア
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