中学受験において、塾選びの指標となるであろう合格者数が水増しされていることが明らかになりました。詳細は以下から。
◆まずは有名中学の合格者数を確認
まず見てもらいたいのが、男子御三家・女子御三家の筆頭として知られる開成中学校および桜蔭学園中学校の2017年度入試の合格者数。厳しい戦いを勝ち抜いたのは開成が395人、桜蔭が269人です。
入試状況・結果 | 開成中学校・高等学校公式サイト
桜蔭学園
◆有名進学塾5つの合格者数を足すとおかしなことに
そして大手進学塾5社(SAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研、栄光ゼミナール)の合格実績を合算してみると、開成が509人、桜蔭が333人と、なぜか各校の合格者数を圧倒的に上回ってしまうわけです。
・SAPIX
開成:234人、桜蔭:184人
・四谷大塚
開成:110人、桜蔭:52人
・早稲田アカデミー
開成:94人、桜蔭:54人
・日能研
開成:59人、桜蔭:28人
・栄光ゼミナール
開成:12人、桜蔭:15人
◆どこかが確実に嘘をついている
各社とも合格実績のページに「テストのみを受験した生徒や講習生(※一部の授業だけ受ける生徒)などは、一切含んでおりません」と書かれているものの、中学受験において講習生でない形で複数の塾を掛け持つのは児童への負担も大きく、現実的ではありません。
そのため、どこかが進学実績を水増ししていることになるわけですが、とりわけ合算するだけで合格者数を超えてしまう上位3社については、必然的に疑いの目を向けざるを得ないのが現状です。
前年度と比較して実績が伸びたことをアピールする各塾。しかしすでに「各塾の合格者数>>実際の合格者数」という、いびつな構図が生まれてしまっています。
◆実際の合格者数が1/3~半分程度の塾も
なお、Buzzap!編集部に業界関係者から寄せられた情報によると、上位3社のうちの1社については「確実に数字を盛っている」とのこと。
実際の合格者数は公式HP上で発表している数字の3分の1ないし半分程度で、テストを受けただけの生徒や、教材を送りつけただけの生徒などもカウントすることで、合格者を大量に輩出しているように見せかけているとしています。
◆追跡調査に必死な塾が怪しい
あくまでどの塾であるかについては明言を避けましたが、業界関係者が出してくれたヒントは、「追跡調査に必死な塾」ということ。
テストを受けただけの生徒に対して進学結果を積極的に問い合わせてくる塾は、合格実績を水増ししている可能性が高いため、どの塾が水増ししているのかが気になるのであれば、今年受験を終えたばかりのご家庭に聞いてみるのもいいかもしれません。
少子化で生徒獲得競争が過酷になる中、少しでも実績をよく見せることで、他社と差を付けたい……という思惑からと思われる合格者数の水増し。しかしあまりにもフェアでなく、景品表示法が定める「優良誤認」などに抵触する可能性もあるため、是正が望まれます。