2010年に発売された初代iPadによって生まれたと言っても過言ではないタブレット市場。
しかし気が付けば当のiPadの出荷台数も落ち込み、市場全体が縮小しつつあるわけですが、はたしてメーカー各社はどのようにして生き残るつもりなのでしょうか。詳細は以下から。
Global Tablet Shipments Fell by Just 6.6% Annually in 2016 as Brands Registered Above Expected Results, Says TrendForce
市場調査会社「TrendForce」がまとめたデータによると、2016年のタブレット出荷台数は前年比6.6%減の1億5740万台となったそうです。
今後もタブレット市場の見通しは思わしくなく、大型スマホに対する需要の高まりによって、タブレットの需要は引き続き縮小するとのこと。なお、TrendForceは2017年のタブレット出荷台数について、前年比6.1%減の1億4780万台と見込んでいます。
タブレットメーカー各社のシェアと今後の見通し。Apple、Samsung、Amazonの順番は変わらないものの、4位以下のメーカーで順位の変動が起こるとみられます。
また、タブレットメーカー各社の現状と、生き残るための戦略をまとめるとこんな感じに。
・Apple
出荷台数前年比14.1%減となったAppleは2017年に3~4モデルのiPadを投入する方針。9.7インチの廉価モデルや12.9インチ、10.5インチの新モデルに加えて、「iPad mini Pro」の導入がウワサされています。
・Samsung
有機ELディスプレイを採用した9.7インチおよび12インチのモデルを2017年第1四半期に投入予定。出荷台数は約8~10%減の約2500万台になる見込みであるものの、ハイエンドモデルで収益化を図ります。
・Amazon
2016年のタブレット出荷台数で年間99.4%の驚異的な成長を遂げたAmazonは、上位2社が出荷台数を落とす中、シェアを伸ばす見通し。
・Lenovo、Huawei
Lenovoはやや出荷台数を落とすものの、Huaweiはスマホ販売と携帯電話事業者との緊密な関係を活用して出荷台数を伸ばす見通し。Huaweiは特に低価格タブレットにおいて強みがあります。
・Microsoft
2016年後半に「Surface Pro」のビジネスユーザー向けマーケティングを強化したマイクロソフトは、2017年前半にSurface Pro 5を発売する予定。しかしパネル不足に悩まされ、伸び悩むのではないかとみられています。
・ASUS
2015年と比較して35.3%も出荷台数を落としたASUSはタブレット事業の収益性を維持するため、低価格競争には加わらず、高い収益性が見込めるモデルに注力する方針。ただしこの戦略を進めたとしても、年間出荷台数は5~10%減少すると予想されています。
メーカー幹部が「モバイルに勝てない」と悲観的な姿勢を見せるノートパソコンに続いて縮小し始めたタブレット市場。いずれはすべて大画面スマホに集約されてしまうのでしょうか。