iPhoneや各種ゲーム機などの受託生産を行う「Foxconn」ブランドで知られる世界最大規模のメーカー、鴻海精密工業とシャープが携帯電話事業での提携を解消したことが明らかになりました。
シャープ、鴻海と携帯の提携解消 英の太陽電池生産は撤退へ – 47NEWS(よんななニュース)
シャープ、鴻海とスマホの共同開発を断念 :日本経済新聞
共同通信社および日本経済新聞社の報道によると、経営再建中のシャープが液晶事業などで協業している鴻海精密工業と携帯電話事業での提携を解消したそうです。
シャープは昨年6月に中国市場向けのスマートフォンで協業することで鴻海と合意し、鴻海が製造したシャープブランドのスマートフォンを展開していましたが、尖閣諸島を巡る日中対立を受けた日本製品の不買運動で生産を停止。共同開発を断念した上で、iPhoneに押されて苦戦している国内市場でのシェア確保に注力するとされています。
なお、2013年度上期のスマートフォンシェアはこんな感じ。「ドコモのツートップ」施策の影響でNTTドコモとKDDIにしか端末を提供していないソニーモバイルが2位になり、大手3社に供給しているシャープが3位に。「お前ツートップじゃないから」と自虐ネタを繰り広げたくなるのも分からなくはありません。
しかしシャープが各キャリアに提供した2013年冬モデルを見ると、CPUやカメラのスペックは横並びではあるものの、最新技術の投入状況にばらつきがあるのが現状。「AQUOS PHONE Xx 302SH」に採用されている三方向狭額縁は一目でそのすごさが分かる、ユーザーを惹きつける技術ですが、残念ながらソフトバンクモバイル限定です。
特定のキャリアを重視するのももちろん戦略ではありますが、他キャリア向けのモデルが「格落ち」に見えてしまい、結果として消費者が別のメーカーを選んでしまうようであれば意味がありません。
ソニーモバイルが全く同じ仕様のフラッグシップモデル「Xperia Z1」をNTTドコモとKDDIに供給し、シェア下落に苦しむ富士通も外見やスペックがほぼ同じの「ARROWS」を大手3社に供給するようになるなど、2013年冬モデルはメーカー各社の戦略に変化が見られましたが、シャープは国内市場でのシェア奪還のためにどのような手を打ってくるのでしょうか。
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