すでに展開中のKDDIやNTTドコモに遅れる形で、ソフトバンクモバイルが2014年春から900MHz帯のプラチナバンドを用いた「プラチナLTE」を展開する予定ですが、エリアが虫食い状態になる可能性が浮上しました。
スマホの通信品質競争、裏では「電波の地上げ」 :日本経済新聞
日本経済新聞社の報道によると、ソフトバンクは現在プラチナLTE向けの帯域を確保するために、「電波の地上げ」と呼ばれる作業を行っているそうです。
これは同社が割り当てられている900MHz帯・15MHz幅×2のうち、10MHz幅×2を物流企業やタクシー会社、レンタルビデオ店、図書館などのICタグを用いた通信や、業務用無線といった既存のシステムが利用していることを受けたもので、立ち退きを交渉し、空いた帯域で下り最大75MbpsのプラチナLTEを展開する予定。
交渉の対象となる事業者は1万を超えていますが、ICタグは年末年始といった休業日でないと簡単に止められない工場のラインなどでも利用されており、費用負担などの交渉が進んでないとのこと。気になる進捗状況ですが、2013年6月末時点での総務省の資料では、ICタグ関連で移行完了したのが3%、業務用無線などでは7%です。
なお、立ち退く事業者が儲ける「ゴネ得」の前例作りを避けるため、総務省が厳しく監視していることから、交渉をスムーズに進める目的で立ち退き料を大幅に積み増すことはできず、仮に立ち退きが遅れると、その事業者の周辺では電波を飛ばせなくなり、サービスエリアが虫食い状態になると懸念されています。
このように時間とコストがかかる電波の立ち退き交渉ですが、ソフトバンクが割り当てられている900MHz帯は日本限定の周波数帯となっているNTTドコモやKDDIの800MHz帯と異なり、ヨーロッパ・中南米でも利用されているグローバルな周波数帯「バンド8」に該当。
先日ソフトバンク回線を利用する形でイー・モバイルから発売された「Nexus 5」のように、海外の端末をそのまま利用しやすいというメリットがあるため、整備する価値は十分にあるわけです。
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