茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の核燃料研究施設で発生した放射性物質による汚染事故。
プルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末が入った袋が破裂し、作業員5人の手袋や服などが汚染されたとされていますが、当初の報道とは打って変わって深刻な事態であることが明らかになりました。
肺から最大2万2000ベクレル 5人搬送 内部被ばく検査へ | NHKニュース
NHKの報道によると、6日に発生した汚染事故を受け、体外に出てくる放射線を測定する機器で作業員を調べたところ、1人の肺から最大2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたことを文部科学省が明かしたそうです。
これは6日の時点で作業員3人の鼻の中から確認された最大24ベクレルの放射性物質の1000倍近い数字。原子力規制庁によると、この放射性物質は「プルトニウム239」だとされています。
なお、プルトニウム239の半減期は2.41万年で、市民団体「原子力資料情報室」がまとめた資料によると、経口よりも肺に取り込んだ場合の危険性が高く、アルファ線による内部被曝が問題となるとのこと。
10000ベクレルの不溶性酸化物を吸入した時の実効線量は83ミリシーベルトとされており、今回作業員の肺から検出された「最大2万2000ベクレル」という数字が決して楽観視できるものではないことが分かります。
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なお、内部被曝についての詳しい検査が必要として、作業員5人全員が千葉市にある放射線医学総合研究所に搬送されています。