世界中の通信会社や基地局ベンダー、スマホメーカーなどが協力して開発を進めている5G(第5世代携帯電話)。
すでに「Massive MIMO」など、5Gの要素技術とされるものを用いた通信サービスは一部で商用化されており、4Gから比較的スムーズに移行できるかと思いきや、そうとは限らないようです。詳細は以下から。
台湾メディア「DIGITIMES」の報道によると、クアルコムの「Snapdragon X50」やIntelの「XMM 8000」、Huaweiの「Balong 5G01」のように、ベンダー各社が5G対応チップセットの開発にこぎ着けていますが、製造コストの高さが問題となっているそうです。
上記以外にもSamsung、MediaTek、Spreadtrumといった大手各社が5G対応のチップセットソリューションを提供しており、競争力を高めるべくコスト削減に取り組んでいるものの、7nmないし5nmにまで半導体製造プロセスの微細化を進めてもなお、得られるコスト削減効果は非常に限られているとのこと。
また、1Gbpsを超える高速通信などの最先端技術をサポートする以上、5G向けチップセットは当然4G向けのものよりも消費電力が高く、今までのスマホよりも大容量のバッテリーを搭載する必要がある上、スマホ本体の製造コストは1000ドル(約10万600円)を超えるとみられています。
製造コストが1000ドルを超えるということは、売価はそれをさらに上回るということ。高い消費電力はより大容量のバッテリーを必要とするため、スマホ本体の大型化が進んでしまうことも示しているわけです。
小型化が難しく、同時期のmova端末と比較して非常に重厚なボディとなっていた上、連続通話時間約90分、連続待ち受け時間は静止時約50時間という、あまりのバッテリー寿命の短さだったFOMA初号機(2001年10月発売)を思い起こさせますが、はたして5G商用化までにどれだけ技術革新を進められるのでしょうか。