「産業経済新聞社」の看板、今すぐ下ろしたほうがいいです。
まずお伝えしたいのが、産経新聞が5月1日付けでアップした以下の記事。中国市場において世界シェア1位のスマホメーカー・Samsungのシェアが急落し、ついに1%を割り込んだというニュースです。
【ビジネス解読】韓国サムスン 中国スマホ市場シェア0%台の“窮地”(1/4ページ) – 産経ニュース
旺盛な需要を生かして飛躍的な伸びを見せたHuawei、Xiaomi、Oppo、Vivoなどの隆盛の前に、世界2位のシェア、圧倒的なブランド力を誇るiPhoneですら苦戦を強いられていることを考えれば、Samsungのシェア急落は無理からぬ話。
ここ数年力を付けている中国メーカー。Huaweiはカメラに並々ならぬ力を注いだ最新スマホ「Huawei P20 Pro/P20」でiPhone Xに圧倒的な差を付けました。
Xiaomi Mi Mix 2sに至ってはiPhone Xを「カメラの画質が悪い爆熱スマホ」と徹底的にこきおろしています。
しかしそんな中、産経新聞はGalaxyについて「日米製より品質は劣るが、それよりも安い」という血迷った解説を挿入しています。
もともとギャラクシーは「日米製より品質は劣るが、それよりも安い。中国製よりも高いが、品質が良い」という、うたい文句を作り中国市場でポジションを確保。断言しますが、日本のスマホが(京セラの超耐久スマホを除いて)世界で高品質と評価されたことはなく、中国で一定のシェアを獲得したこともなければ、OSアップデートへの対応はもちろん、ハードウェア・ソフトウェアトータルの完成度でGalaxyに勝てたこともありません。
「iPhoneより品質は劣る」ならまだしも「日米製より」といううたい文句はまず無茶な話……というより、日本メーカーのスマホをiPhoneと同列に並べて語ろうとした時点で、今すぐ産業経済新聞社の看板を下ろしたほうがいいレベルです。
最も分かりやすい例が当時日本勢でシェアトップだった富士通のスマホ「ARROWS X F-10D(2012年)」。熱い・不安定・もっさりの三拍子で、同じ年に発売された「iPhone 5」「GALAXY S III」とは雲泥の差でした。
「iPad 3が第4世代LTEと呼ばれる高速通信のゲーム規格に準拠」など、技術に詳しい記者がいないのではないかと不安になるような記事が時折飛び出す産経新聞。
近年ではネットのデマをそのまま記事化するなど、大手新聞社というよりまとめブログじみた報道媒体へと変貌を遂げていますが、「ビジネス解読」と銘打つのであれば、せめて現状を認識した上で解読してもらえないでしょうか。