今サブブランドに足りないのは、まさにこれではないでしょうか。詳細は以下から。
◆回線速度、サービス内容ともに申し分ないサブブランド
まず振り返っておきたいのが、UQ mobileやワイモバイルといったサブブランドの現状。
格安スマホが軒並み低速になる平日昼の12時台でも驚くほど快適に通信できます。
さらにUQ mobile、ワイモバイルともども通話定額サービスや公衆無線LANスポット、キャリア決済などを取りそろえており、そのサービス内容はまさに「準キャリア」とでも呼ぶべきもの。
「キャリアが提供する大容量通信サービスなどは必要ないけれども、ストレスない回線でスマホを利用したい」というニーズに十分応えてくれます。
万が一のための保証サービスも充実しているサブブランド。とりわけUQ mobileは月額380円(ワイモバイルは月額690円)の掛け金でauと遜色ない端末交換サービスを受けられます。
端末補償サービス|UQmobile|格安スマホ・格安SIMのUQmobile
◆エントリー~ミドルレンジ止まりのラインナップ、夏モデルはなんと1機種
しかしそんなサブブランドの弱点は、やはりスマホのラインナップ。
AndroidであればSnapdragon 4xx、6xxのエントリ~ミドルレンジ、iPhoneであれば2世代型落ちとなるiPhone 6sが関の山で、まず間違ってもハイエンドモデルがラインナップされることはありません。
2018年夏モデルとしてUQ mobileやワイモバイルが発売したのは「Huawei P20 lite」のみ。確かにコスパは良いものの、Buzzap!編集部の検証では値段相応の性能。ヘビーユーザーが使うには物足りない1台です。
◆親会社やメインブランドとの食い合いもやむなしではないか
競合する楽天モバイルやOCNモバイルONEなどがエントリー~ハイエンドまで幅広く扱っているのに対し、ラインナップが心許ない感が否めないサブブランド。
背景には「ハイエンドはキャリア、ミドルレンジ~エントリーはサブブランド」という棲み分けや、「格安スマホ」というイメージを覆すような高価格帯のスマホを投入する事への抵抗があると思われます。
しかし一方で「サブブランドの安定した回線で高性能なスマホを使いたい」というニーズは必ずあるはず。キャリアほどのサービスはいらない、でも一般的な格安スマホは回線の質をはじめ各種サービスが……というリテラシーの高い層を丸まま取りこぼしているのではないでしょうか。
とりわけ惜しまれるのがSnapdragon 845を搭載しながら6万円台の良コスパスマホ「ZenFone 5Z」の存在。似たような価格帯・性能のモデルを並べて差別化に悩むくらいなら、いっそラインナップに加えてしまってもいいのではとすら思われる1台です。
「キャリアで採用できなかった機種をサブブランドに」「1年型落ちのモデルを安く売る」など、キャリアと直接食い合わずに済むアプローチは少なからずあるはず。
せめて年に1機種くらいは、まともなハイエンドモデルを選択肢に入れてもらいたいところです。