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同性婚を求める初の一斉訴訟、損害賠償請求を「金目当て」と誤解する声が多数寄せられる事態に

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本日全国各地で一斉に行われた同性婚を求める提訴。
一連の経緯を紐解くにあたり、一つだけ解いておきたい誤解があります。詳細は以下から。

◆同性婚を求める初の訴訟
まず確認しておきたいのが、本日13組の同性カップルが東京、札幌、名古屋、大阪の各地裁で起こした訴訟。
同性婚を認めない民法などについて違憲性を問う初の訴訟で、相続権や共同親権が得られないことや病院での面会、賃貸住宅の入居が進みにくいなどの不利益があることを訴え、1人あたり100万円の損害賠償を求めています。

◆「金目当て」という誤解相次ぐ
そんな中、このニュースを見た人々が「1人あたり100万円の損害賠償」というくだりに反応。「意味がわからん」「差別ビジネス」などの声を寄せています。




しかしこれは全くの誤解。
日本の裁判所には法律が違憲かどうかを判断できる「違憲立法審査権」がありますが、具体的な事件が起きた際に初めて判断を下すことができる仕組み。これを「付随的違憲審査制」といいます。
つまり「憲法に背いた法律によって不利益を被ったため、損害賠償を請求する」という訴えがない限り、裁判所は違憲かどうかを判断できないわけです。これは同性婚に限らず、憲法に関する各種訴訟にも同じことがいえます。
◆「不受理にされる前提で婚姻届を出すのはアピール」と誤解も
さらに今年1月、今回の提訴に先駆けて各自治体に同性同士での婚姻届提出が行われた際にも「アピール」「パフォーマンス」といった声が。


しかしこちらも決して役所に対して何らかの嫌がらせを意図したものなどではなく、あくまで提訴にあたって「役所に婚姻届を不受理された」という経緯が必要なためです。

◆養子縁組は同性婚の代わりになるとも限らない
なお、ツイッターでは「養子縁組でいいのでは」という声もありますが……


法務省は養子縁組に警戒を強めており、かねてから「届出人等に対し出頭を求めて事情聴取を行う」「調査を行う際、都道府県警察などに協力を求める」などの取り組みを実施中。一般的な結婚と違い、法務省の意向次第で今後門戸が狭められる可能性があります。

憲法を改正しても同性婚を認めるつもりがない自民党など、さまざまなハードルがある同性婚。応援する・しないは別として、誤解を元に当事者たちに後ろ指を指すような真似だけは避けたいところです。

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